導入
「フリーランスになったけど、お金のことが不安…」
会社員時代は給料明細を見るだけでよかったのに、今は税金も保険も自分で管理。何から手をつければいいのか、わからなくて当然です。
でも大丈夫。この記事を読めば解決します。
税金、保険、年金、控除、経費…複雑に見えるこれらは、実は3つのステップで整理できます。
- 何にお金がかかるか知る(税金・保険・年金)
- 減らせる支出を知る(控除・経費)
- 手続きのタイミングを知る(確定申告)
3分で読めるこのガイドで、今日からお金の不安を解消しましょう。

第1章:フリーランスが払う「税金」って何?
払う税金は3種類だけ
フリーランスが納める税金は、この3つを覚えればOKです。
① 所得税
1年間の「もうけ」にかかる税金です。
- もうけ = 売上 − 経費
- たとえば売上500万円、経費200万円なら、もうけは300万円
- 控除(後で説明)を引いた額に、税率をかけて計算します
例:もうけ300万円の場合、基礎控除48万円と社会保険料控除50万円を引くと、課税される所得は約200万円。この場合の所得税は約10万円です。
② 住民税
前の年のもうけに対して、住んでいる市区町村に払う税金。だいたい**所得の10%**くらいです。
③ 消費税(売上1,000万円を超えたら)
2年前の売上が1,000万円を超えると、消費税を納める義務が発生。開業から2年間は基本的に免除です。
「青色申告」で税金を減らせる
青色申告とは、帳簿をつけて確定申告する方法のこと。これをすると最大65万円の控除がもらえます。
- 控除=税金を計算する前に、所得から引いてもらえる金額
- つまり「65万円分は税金がかからない」ということ
やり方:開業届と一緒に「青色申告承認申請書」を税務署に出すだけ(無料)。
会計ソフト(freee、マネーフォワードなど)を使えば、帳簿は自動でつけられます。月1,000円程度の投資で、何万円も節税できるので絶対おすすめです。
参考:国税庁:青色申告制度
第2章:保険と年金、いくらかかる?
会社員とフリーランスの違い
| 項目 | 会社員 | フリーランス |
|---|---|---|
| 健康保険 | 会社が半分払ってくれる | 全額自分で払う |
| 年金 | 厚生年金(手厚い) | 国民年金(最低限) |
| 雇用保険 | 失業時に給付あり | なし |
つまり:フリーランスは負担が重く、将来もらえる年金も少ない。だから自分で備える必要があります。
毎月払うお金はこれ
国民健康保険
病院に行くときの保険証です。保険料は前年の所得で決まり、月2〜5万円くらい(所得による)。
国民年金
老後にもらえる年金のもと。**月16,980円(固定)**です。40年間払い続けると、年間約78万円もらえます。
将来のために上乗せできる制度
国民年金だけでは老後が不安。そこで使いたいのがこの3つです。
おすすめの組み合わせ:
掛金が全額控除=たとえば月3万円積み立てると、年間36万円が所得から引かれるので、税金が約7万円安くなります(税率20%の場合)。
参考:中小機構:小規模企業共済
第3章:「控除」と「経費」で税金を減らす
控除=税金を計算する前に引いてもらえる金額
確定申告で申告すれば、税金が安くなります。主な控除はこれです。
- 基礎控除(48万円):全員もらえる
- 社会保険料控除:健康保険料・年金保険料が全額引ける
- 青色申告特別控除(最大65万円):帳簿をつければもらえる
- 配偶者控除・扶養控除:養っている家族がいれば適用
- 生命保険料控除:保険に入っていれば一部控除
- 医療費控除:年間10万円以上の医療費があれば適用
大事なポイント:控除は自分で申告しないと適用されません。漏れがないようチェックしましょう。
経費=仕事に必要な出費
経費とは、仕事をするために使ったお金のこと。これが多いほど、もうけが減り、税金も減ります。
経費にできるもの
- パソコン、ソフト、文房具
- 自宅の家賃・光熱費(仕事で使う分だけ)
- ネット代、スマホ代
- 取引先との食事代
- セミナー代、本代
- 交通費
経費にできないもの
- プライベートの食事や旅行
- 家族との外食
- スーツ(基本的に私服扱い)
自宅の家賃や電気代は「按分」する
自宅で仕事している場合、家賃や光熱費の一部を経費にできます。これを「家事按分」と言います。
按分の例
- 家賃:6畳の部屋を仕事部屋にしている → 自宅面積の30%を経費に
- 電気代:1日8時間仕事 → 電気代の30%を経費に
- スマホ代:仕事7割・プライベート3割 → 70%を経費に
注意:按分比率は「説明できる根拠」が必要です。税務調査で聞かれても答えられるようにしておきましょう。
第4章:確定申告はいつ、何をする?
確定申告の期間は「2月16日〜3月15日」
この期間に、前年1年分の所得を確定申告します。遅れると青色申告控除が減るので注意。
e-Taxと会計ソフトを使おう
e-Tax=インターネットで確定申告できるシステム。これを使うと、青色申告控除65万円がもらえます(使わないと55万円)。
- 銀行口座やクレカと連携して、自動で帳簿をつけてくれる
- 確定申告書も自動作成
- スマホで領収書を撮影するだけで記録完了
初心者ほど、会計ソフトは必須です。月1,000円程度で、時間も手間も大幅に削減できます。
よくある失敗
- 領収書をなくす → スマホで撮影してクラウド保存を
- 控除を忘れる → 社会保険料控除、生命保険料控除は必ず申告
- プライベートな支出を経費にする → 税務調査でバレます
- 期限に遅れる → 青色申告控除がもらえなくなることも
第5章:お金と上手に付き合うコツ
税金は「払うもの」と割り切る
「税金を払いたくない」と思うのは自然です。でも、税金は社会を支えるために必要なもの。
こう考えてみましょう
- 健康保険があるから、病院代が3割で済む
- 年金があるから、老後の生活が保障される
- 控除を使えば、払う税金を適正に抑えられる
「税金を払っている=ちゃんと稼いでいる証拠」。前向きに捉えれば気持ちも楽になります。
将来の不安を減らす3つの習慣
① 積み立てる
iDeCoや小規模企業共済で、毎月コツコツ老後資金を作る。つみたてNISAも活用しよう。
② 分散する
収入源を複数持つ(クライアントを分散、副業など)。資産も預金・投資・保険に分散。
③ 見える化する
毎月の売上と支出を記録して「いくら稼いで、いくら使ったか」を把握。会計ソフトやExcelで管理。
事業用とプライベートは分ける
お金を混ぜると、確定申告が大変になります。
おすすめの方法
- 事業用の銀行口座を作る
- 事業用のクレジットカードを作る
- プライベートの支出と完全に分ける
こうすれば、経費の管理が楽になり、確定申告もスムーズです。
**お金を知ることは、自分の未来を守ること。**今日から”数字に強いフリーランス”を目指しましょう。

まとめ:今日からできること3選
① 開業届と青色申告承認申請書を出す
- 税務署に行くか、e-Taxでオンライン提出
- 最大65万円の控除がもらえるようになります
- 参考:国税庁:個人事業の開業届出・廃業届出等手続
② 会計ソフトを契約する
③ 事業用の口座・クレカを作る
- お金の流れを分けると、確定申告が圧倒的に楽
- ネット銀行なら口座開設も簡単
フリーランスのお金まわりは、一度仕組みを理解すれば怖くありません。この3つをやるだけで、来年の確定申告がグッと楽になります。
フリーランスお金管理チェックリスト
このチェックリストで、あなたの準備状況を確認しましょう。
📋 開業準備(開業時)
- [ ] 開業届を提出した
- [ ] 青色申告承認申請書を提出した
- [ ] 事業用の銀行口座を開設した
- [ ] 事業用のクレジットカードを作った
- [ ] 会計ソフト(freee / マネーフォワード / 弥生)を導入した
💰 保険・年金(開業後すぐ)
📝 日々の記帳(毎月)
- [ ] 売上を記録している
- [ ] 経費を記録している
- [ ] 領収書・レシートを保管(またはデジタル化)している
- [ ] 銀行口座の明細を会計ソフトに連携している
- [ ] 月次で収支を確認している
📊 確定申告準備(1〜2月)
- [ ] 前年分の売上・経費データを整理した
- [ ] 社会保険料の納付証明書を準備した
- [ ] 生命保険料控除証明書を準備した
- [ ] 医療費の領収書をまとめた(10万円超の場合)
- [ ] 配偶者・扶養控除の情報を確認した
🚀 確定申告(2月16日〜3月15日)
- [ ] e-Taxで確定申告書を作成・提出した
- [ ] 所得税を納付した(3月15日まで)
- [ ] 確定申告書の控えを保管した
💡 年間を通じて
- [ ] 事業とプライベートのお金を分けている
- [ ] 経費の判断基準を理解している
- [ ] 控除の種類と要件を把握している
- [ ] 将来の備え(積立・分散・見える化)を実践している
全部チェックできなくても大丈夫! まずは上から順番に、できることから始めていきましょう。
次回予告
次回は「フリーランス×AIツールで収入を伸ばす実践法」をテーマにお届けします。
ChatGPTやCopilot、Canvaなどの最新AIツールを使って、作業効率を上げながら収入アップを目指す具体的な方法を紹介します。お楽しみに!
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