ペットシッター副業【2026年】資格だけでは登録できません

副業
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営業職として10年間活動、某営業会社で2000人中2位、プライム上場企業にて年間TOPセールスなどを経て、サービス開発をするためにPDMにジョブチェン、現在進行形でPM/PDMをしています。上場企業の昇進レースに見切りをつけ、副業として業務委託でPM/PDM/PMOを複数案件並列で兼務、副業が年収1,000 万を突破したので、ナレッジを「会社の外で稼ぐ PM スキルの循環」をテーマに、テンプレ・講座・コミュニティで同世代の跳躍を支援しています。

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犬や猫が好きで、平日の夕方に1時間だけ空いています。近所の飼い主さんから「散歩をお願いできないか」と言われます。ペットシッターの副業は、たいていこの順番で始まります。

ユイカ(副業初心者)
ペットシッター、やってみたいんですけど…私、資格を何も持ってなくて。やっぱり無理ですよね。

リンク(運営者)
その不安、分かります。ただ順番が逆なんですよ。資格より先に見るところがあります。

ユイカ(副業初心者)
えっ、資格より先ですか?

リンク(運営者)
実務経験です。獣医師さんでなければ、資格だけでは登録の要件を満たせません。そのあたりを順番に見ていきますね。

そして多くの解説記事が、次の一文を置きます。「ペットシッターに国家資格は必要ありません」。これは事実です。ただし、この一文だけを読んで動くと、最初の一歩で止まります。

資格が不要なことと、届出なしで始められることは別の話です。お金をもらって他人の動物を世話するなら、第一種動物取扱業の登録が要ります。環境省はペットシッターを名指しで規制対象に挙げています。

そのうえで、この記事が扱うのは次の一点です。登録に必要な動物取扱責任者には、資格「だけ」ではなれません。学校を出ただけでも足りません。獣医師か愛玩動物看護師でなければ、という条件付きの話です。必ず半年以上の実務経験(または1年以上の飼養経験)と組み合わせる必要があります。令和2年6月1日から、そう変わりました。

東京都の資料を順に読んでいて、いちばん手が止まったのがここでした。改正前は「資格を取れば責任者になれる」と読める書き方でした。今は違います。そして東京都は、その飼養経験について「ペットとしての飼育経験や繁殖経験は認められません」と書いています。自宅で10年犬を飼ってきた年数は、1日も数えられません。

この記事でわかること

  • 業としてペットを預かる・世話するなら第一種動物取扱業の登録が必要なこと
  • 環境省が「飼養施設がない場合も、規制の対象になります」と明記していること
  • ペットシッターの業種区分が「販売」でも「訓練」でもなく「保管」であること
  • 対象になる動物が哺乳類・鳥類・爬虫類に限られること
  • 登録が事業所ごと・業種ごとに必要なこと
  • 動物取扱責任者が「独立した資格に類するものではない」と東京都が明言していること
  • 令和2年6月1日から選任要件が4つの選択肢になったこと
  • 4つのうち2つが「実務経験または飼養経験」との組み合わせを求めていること
  • 実務経験が「常勤の職員として在職するもの」に限られること
  • ペットとしての飼育経験や繁殖経験が飼養経験に数えられないこと
  • 保管の実務経験が販売・貸出し・訓練・展示などからも認められること
  • 認定ペットシッターとペットシッター士が「保管・訓練・譲受飼養」限定の資格であること
  • 雇われて現場に出る職員の要件は3つのうち「いずれか1つ」でよいこと
  • 欠格事由が10項目あり、区切りがおおむね5年であること
  • 事前研修が2,500円・3時間で、平日の昼に開催されていること(東京都)
  • 申請が窓口のみで、郵送では受け付けられないこと(東京都)
  • 登録手数料が1種別15,000円、2種別同時で25,000円であること(東京都)
  • 2種別目を同時に申請すると5,000円安くなること(本記事の計算)
  • 初期費用17,500円が60分3,000円の訪問6回分にあたること(本記事の計算)
  • 申請の前に区市町村で用途地域・建築基準法の確認が必要なこと
  • 賃貸で契約書に記載がない場合は別紙様式2「場所使用承諾証明書」を使うこと
  • 登録が5年ごとの更新制であること
  • 帳簿の備付けと定期報告が保管業者の義務に入っていないこと
  • 申請書類のうち「第一種動物取扱業の実施の方法」が保管では不要なこと(東京都)
  • 賃貸物件を事業所にする場合に権原を示す書類が要ること
  • 無登録営業が100万円以下の罰金であること
  • 変更の届出漏れや虚偽報告が30万円以下の罰金であること
  • 登録が失われた後も2年間は立入検査の対象であること
  • 動物取扱責任者に年1回以上の法定研修の受講義務があること
  • 広告に氏名・事業所の所在地など8項目の記載義務があること
  • 更新時に事業所への立入検査があり、ホームページの内容も確認されること
  • 更新申請は新規と違って郵送でも提出できること
  • 広告の禁止事項が3つ定められていること
  • 東京都が第一種動物取扱業者一覧を公開していること
  • 「業」が有償・無償の別を問わず成立しうること

この記事の調べ方(編集方針)

  • 本記事は、副業ジャンルの記事を90本以上制作している当サイト編集部が作成しました。制度部分の出典は環境省「第一種動物取扱業者の規制」と東京都動物愛護相談センターの公開資料に限定し、確認日を本文中に明記しています。調査日は2026年9月23日です。
  • 本記事は弁護士・行政書士の監修を受けていません。そのぶん、解釈が分かれる論点では断定を避け、公式資料の原文をそのまま引用する方針を取っています。最終的な可否の判断は、必ず事業所を置く自治体の窓口に確認してください。
  • 金額・手数料・研修の開催条件は東京都の値です。登録の窓口は都道府県または政令指定都市で、手数料も運用も自治体ごとに異なります。東京都以外にお住まいの方は、同じ項目をご自身の自治体で確認してください。
  • 体験談は載せていません。筆者はペットシッターとして登録した経験がありません。金額例はすべて「本記事が置いた前提」と明記しています。
  • 公式資料に記載を確認できなかった論点は「確認できませんでした」と明記しています。

本記事の調査で埋まらなかった論点

今回当たったのは、環境省「第一種動物取扱業者の規制」、東京都動物愛護相談センターの「第一種動物取扱業の登録について」「動物取扱責任者について」「第一種動物取扱業の登録手続」「第一種動物取扱業申請様式等」「第一種動物取扱業登録更新手続」、および東京都「動物取扱責任者の選任要件が厳しくなりました」(PDF)です。そのうえで、次の点は確認できませんでした。

  • 5年ごとの更新にかかる手数料。新規申請の手数料は公表されていますが、更新時の金額は登録手続のページにも更新手続の専用ページにも記載がありませんでした。更新手続のページは「送付された納付書により、指定の納付場所で申請手数料をお支払いください」とするのみです。金額は窓口にお問い合わせください。
  • 法定研修(年1回以上)の手数料と所要時間。新規の事前研修は2,500円・3時間と明記されていますが、毎年の法定研修について同じ情報は確認できませんでした。
  • 「実務経験と同等の1年間以上の飼養経験」として何が認められるか。東京都は「申請前に認定されるか確認する必要があります」と書き、個別の判断は電話での問い合わせに委ねています。基準を一覧で示した資料は確認できませんでした。
  • 飼養施設を持たない出張型の事業者が、標識をどこに掲示するか。標識(様式第9)と識別章(様式第10)の書式自体は東京都が配布しています。ただし事業所を自宅に置く出張型で、掲示場所を具体的にどう運用するかを示した記述は確認できませんでした。
  • 全国の「保管」業種の登録件数。自治体ごとの登録簿は公開されていますが、保管業種だけを全国で集計した数値は今回の調査では確認できませんでした。

訪問して他人の家の鍵を預かる副業としては、家事代行の副業も別にまとめてあります。作業そのものは似て見えますが、動物が入ると登録の要否がまるごと変わります。この記事は、その境目と、登録までに実際にかかる時間とお金に絞ります。

目次

  1. 結論:獣医師でなければ「半年」が必ず要ります
  2. 環境省は「飼養施設がない場合も対象」と書いています
  3. ペットシッターの業種区分は「保管」です
  4. 対象は哺乳類・鳥類・爬虫類です
  5. 登録は事業所ごと、そして業種ごとです
  6. 動物取扱責任者は資格ではありません
  7. 令和2年6月1日に選任要件が4択になりました
  8. ③と④に共通して入っているのが(ア)です
  9. 実務経験は常勤の職員としての在職に限られます
  10. 自宅のペットを10年飼っても数えません
  11. 飼養経験1年は申請前の確認が要ります
  12. 保管の実務経験は5種別から認められます
  13. 資格は34あり、効く種別が違います
  14. シッター系の2資格は保管・訓練・譲受飼養だけです
  15. 雇われる側の要件は「いずれか1つ」です
  16. 欠格事由は10項目、区切りは5年です
  17. 事前研修は2,500円で平日の昼3時間です
  18. 申請は窓口のみ、郵送は受け付けません
  19. 最初の壁は資格ではなく平日の昼です
  20. 必要書類は保管だと1つ少なくなります
  21. 用途地域によっては営めない場所があります
  22. 賃貸を事業所にするなら権原の書類が要ります
  23. 手数料は1種別15,000円です
  24. 2種別目は同時申請で5,000円安くなります
  25. 初期17,500円は訪問6回分です
  26. 登録は5年ごとに更新します
  27. 帳簿と定期報告は保管業者の義務ではありません
  28. 無登録営業は100万円以下の罰金です
  29. 登録が消えても2年間は立入検査があります
  30. 責任者には年1回以上の研修義務があります
  31. 広告には8項目の記載義務があります
  32. この記事が扱わない3つのこと
  33. 今日やること
  34. よくある質問
  35. まとめ
目次

結論:獣医師でなければ「半年」が必ず要ります

ペットシッターを副業として始めるとき、最初に越える壁は資格ではありません。実務経験です。

第一種動物取扱業の登録には、事業所ごとに動物取扱責任者を1名以上選任する必要があります。一人で始めるなら、その責任者は自分です。東京都が配布している資料は、令和2年6月以降の選任要件をこう整理しています。

選任要件が変わり、以下の①から④のいずれかの要件を満たす必要があります。
① 獣医師の免許を取得していること
② 愛玩動物看護師の免許を取得していること(新設の国家資格のため、現時点で該当者はいません。)
③ 次の(ア)、(イ)の両方を満たしていること
④ 次の(ア)、(ウ)の両方を満たしていること

②に付いている括弧書きは、令和2年の施行時点で書かれた注記です。資料そのものが改正の周知用に作られたものなので、現在の状況とは異なる可能性があります。②のルートを検討する方は、現行の案内で確認してください。

(出典:東京都「【第一種動物取扱業者の皆様へ】動物取扱責任者の選任要件が厳しくなりました」(PDF)、2026年9月23日確認)

そして(ア)(イ)(ウ)の中身が、同じ資料に並んでいます。

  • (ア)種別に係る半年以上の実務経験、又は実務経験と同等の1年間以上の飼養経験
  • (イ)種別に係る知識及び技術について1年間以上教育する学校等を卒業
  • (ウ)公平性、専門性のある団体が行った試験により資格等を得ていること

ここが本記事の核心です。③にも④にも、(ア)が入っています。獣医師でも愛玩動物看護師でもない人は、(ア)を避けて責任者になる道がありません。資格を取っても、それは(ウ)を満たすだけです。専門学校を出ても、それは(イ)を満たすだけです。どちらも単独では足りません。

東京都はこの資料の見出しを「選任要件が厳しくなりました」としています。令和2年6月1日の施行で、組み合わせが必要になったという位置づけです。「資格を取れば開業できる」と書いてある記事があれば、それは改正前の話を引きずっています。

まず調べるのは資格の種類ではありません。自分に「半年以上の実務経験」があるかどうかです。ないなら、そこを埋める計画から立ててください。

同じ訪問型でも、動物が入らない家事代行の要件を見る

環境省は「飼養施設がない場合も対象」と書いています

登録が要るかどうかは、動物を自宅に泊めるかどうかでは決まりません。

ペットシッターの多くは、飼い主の家に訪問して世話をします。自分の家に連れて帰るわけでも、ケージを並べた施設を持つわけでもありません。だから「預かっていないので登録は不要」と考えてしまいがちです。環境省はその読み方を先回りして否定しています。

業として、動物の販売、保管、貸出し、訓練、展示、競りあっせん、譲受飼養を営利目的で行う場合は、営業を始めるに当たって登録をしなくてはなりません。代理販売やペットシッター、出張訓練などのように、動物の所有や飼養施設がない場合も、規制の対象になります。

(出典:環境省「第一種動物取扱業者の規制」、2026年9月23日確認)

名指しです。ペットシッターは例示として本文に書かれています。動物を所有していないことも、飼養施設を持たないことも、登録を免れる理由にはなりません。

なお、営利目的でない活動は第二種動物取扱業という別の枠組みになります。副業として報酬を受け取るなら、それは営利目的です。第一種の話として読んでください。

ペットシッターの業種区分は「保管」です

登録は業種ごとに行います。ペットシッターがどの業種に当たるかは、環境省の一覧に明記されています。

該当するのは「保管」です。業の内容は「保管を目的に顧客の動物を預かる業」とされています。該当する業者の例は3つです。「ペットホテル業者」「美容業者(動物を預かる場合)」、そして「ペットのシッター」。

ここで言葉の感覚がずれます。「預かる」と書いてあるのに、訪問型のシッターも同じ枠です。実務としては預かっていなくても、制度上は保管業として扱われます。名前だけで判断すると取り違えます。

業種 業の内容(環境省の記載) 該当する業者の例
販売 動物の小売及び卸売並びにそれらを目的とした繁殖または輸出入を行う業(その取次ぎまたは代理を含む) 小売業者、卸売業者、販売目的の繁殖または輸入を行う者
保管 保管を目的に顧客の動物を預かる業 ペットホテル業者、美容業者(動物を預かる場合)、ペットのシッター
貸出し 愛玩、撮影、繁殖その他の目的で動物を貸し出す業 ペットレンタル業者、映画等のタレント・撮影モデル・繁殖用等の動物派遣業者
訓練 顧客の動物を預かり訓練を行う業 動物の訓練・調教業者、出張訓練業者
展示 動物を見せる業(動物とのふれあいの提供を含む) 動物園、水族館、移動動物園、動物サーカス、動物ふれあいパーク、乗馬施設、アニマルセラピー業者(「ふれあい」を目的とする場合)
競りあっせん業 動物の売買をしようとする者のあっせんを会場を設けて競りの方法により行う業 動物オークション(会場を設けて行う場合)
譲受飼養業 有償で動物を譲り受けて飼養を行う業 老犬老猫ホーム

(出典:環境省「第一種動物取扱業者の規制」、2026年9月23日確認。業の内容と業者の例は原文どおり転記しています)

散歩の代行だけなら保管です。しつけも請け負うなら「訓練」が別に必要になる可能性があります。業種が増えると登録も増えます。この点は第24章で金額とあわせて扱います。

なお東京都は、根拠となる法令を動物愛護管理法だけに限っていません。東京都動物愛護相談センター「第一種動物取扱業の登録について」は「動物の愛護及び管理に関する法律(以下「動愛法」という。)及び 東京都動物の愛護及び管理に関する条例により登録が必要です。」と書いています。自治体の条例も重なる領域です。

対象は哺乳類・鳥類・爬虫類です

すべての生き物が対象になるわけではありません。環境省は範囲を1行で区切っています。

実験動物・産業動物を除く、哺乳類、鳥類、爬虫類が対象です。

(出典:環境省「第一種動物取扱業者の規制」、2026年9月23日確認)

犬・猫・ウサギ・ハムスター・フェレットは哺乳類です。インコ・オウム・文鳥は鳥類、カメ・ヤモリ・ヘビは爬虫類として入ります。一方で、熱帯魚や金魚は魚類、カエルやイモリは両生類、クワガタやカブトムシは昆虫です。この3つの区分の外にあります。

留守中の水槽の世話だけを請け負うなら、第一種動物取扱業の対象からは外れる読み方になります。ただし、これは「何の責任も負わない」という意味ではありません。預かった鍵の管理も、水槽を壊したときの賠償も、通常の契約の問題として残ります。

実際には、依頼は混ざって来ます。「犬の散歩のついでに金魚にも餌を」という頼まれ方が普通です。犬が入った時点で登録の話になります。自分の取扱範囲を決めるときは、いちばん重い動物に合わせて考えてください。

登録は事業所ごと、そして業種ごとです

登録の単位は人ではありません。事業所と業種の組み合わせです。

東京都の登録手続のページは、冒頭でこう断っています。

同一の事業所で複数の種別の第一種動物取扱業を営む場合は、種別ごとに登録を受けることが必要です。

第一種動物取扱業者は、事業所ごとに1名以上の常勤かつ専属の「動物取扱責任者」を選任し、また事業所ごとに重要事項の説明等を行う職員を配置すること等が必要です。

(出典:東京都動物愛護相談センター「第一種動物取扱業の登録手続」、2026年9月23日確認)

副業で一人で始める場合、事業所は自宅になることが多いはずです。そのとき、動物取扱責任者も、重要事項の説明等を行う職員も、どちらも自分が兼ねる形になります。

注意したいのは「常勤かつ専属」です。責任者について東京都は別ページでこう書いています。「常勤の職員の中から専属として選任されるため、他店との兼務はできませんのでご注意ください」。どこかのペットホテルで責任者をしながら、自分の副業でも責任者になる、という形は取れません。

動物取扱責任者は資格ではありません

ここは誤解が多い部分です。東京都が先頭で否定しています。

動物取扱責任者は、第一種動物取扱業の登録申請に必要な要件であり、独立した資格に類するものではありません。第一種動物取扱業者から選任されて、初めて動物取扱責任者となることができます(第一種動物取扱業者自らを動物取扱責任者として選任も可)。

(出典:東京都動物愛護相談センター「動物取扱責任者について」、2026年8月4日更新・2026年9月23日確認)

「動物取扱責任者の資格を取る」という言い方は、制度としては成立しません。受験して合格するものでも、名刺に書けるものでもありません。事業者が誰かを選任したときに、その人が責任者になります。

副業で一人で始めるなら、自分を選任することになります。カッコ書きで明記されているとおりです。だからこそ、選任要件を自分が満たしているかどうかが、そのまま開業できるかどうかになります。

令和2年6月1日に選任要件が4択になりました

改正のタイミングと内容を、日付ごと押さえておきます。

東京都の資料は冒頭をこう書き出しています。「『動物の愛護及び管理に関する法律』(動物愛護管理法)が改正され、令和2年6月1日から施行されました」。そのうえで、経過措置についてもこう続けています。

ただし経過措置により、令和2年5月までに登録されている事業所の責任者の方は、令和5年5月31日までに、改正後の要件①から④のいずれかを満たすようお願いします。

(出典:東京都「【第一種動物取扱業者の皆様へ】動物取扱責任者の選任要件が厳しくなりました」、2026年9月23日確認)

経過措置の期限は令和5年5月31日です。これから登録する人には、経過措置は最初から関係ありません。新規の申請は、令和2年6月の時点で新要件に切り替わっています。

同じ資料には、経過措置が適用されない場面も列挙されています。種別の追加、営業者が変わる場合(個人から法人への切替など)、そして飼養施設を設置する場合です。3つ目には「例:出張ペットシッターが飼養施設を設けてペットホテルも行う」という具体例が添えられています。訪問型から預かり型へ広げるときは、要件が改めて問われます。

③と④に共通して入っているのが(ア)です

動物取扱責任者の選任要件4つのうち、③と④には実務経験または飼養経験が共通して必要であることを示した比較図

4つの選択肢を、表に並べ直します。

選択肢 必要なもの 実務経験(ア)の要否
① 獣医師の免許 不要
② 愛玩動物看護師の免許 不要
③ (ア)+(イ)学校等の卒業 必要
④ (ア)+(ウ)団体の試験による資格等 必要

(出典:東京都「動物取扱責任者の選任要件が厳しくなりました」、2026年9月23日確認。表への整理は本記事によるものです)

こうして並べると、構造が見えます。①と②は国家資格です。それ以外の2つには、どちらにも(ア)が入っています。

副業として始める人の多くは、①でも②でもありません。だから(ア)は事実上の必須条件です。

そのうえで(ア)自体が二択になっています。「種別に係る半年以上の実務経験」か、「実務経験と同等の1年間以上の飼養経験」です。前者が半年、後者が1年。期間が倍違います。この差は、後者の認定が個別判断であることと関係していそうですが、その理由を説明した記述は確認できませんでした。

実務経験は常勤の職員としての在職に限られます

(ア)の前半、実務経験のほうを詰めます。東京都の説明は次のとおりです。

営もうとする第一種動物取扱業の種別と同一種別での半年以上の実務経験(常勤の職員として在職するものに限る。)があることが必要です。ただし、関連があると認められる種別については、実務経験として認められます。

(出典:東京都動物愛護相談センター「動物取扱責任者について」、2026年9月23日確認)

カッコ書きが効いています。「常勤の職員として在職するもの」です。週末だけペットホテルを手伝った、知人の店を数か月アルバイトで回した、という形では、そのままでは通りません。

副業を考えている人にとって、ここはかなり重い条件です。本業を持ったまま、半年間どこかに常勤で在職するのは、そもそも両立しません。現実的な順番としては、次のどれかになります。

  • 過去に動物関連の職場で常勤として働いた経験を掘り起こす
  • (ア)の後半、1年以上の飼養経験として認定されるものがないか確認する
  • (イ)の学校等の卒業歴を確認し、③のルートで組み立てる
  • 当面は登録事業者に雇われる側として現場に入る(第15章で扱います)

4つ目は遠回りに見えて、いちばん現実的な場合があります。雇われる側の要件は、責任者より明確に軽く設定されているからです。

ユイカ(副業初心者)
うち、犬を10年飼ってるんです。それは経験に入りますよね?

リンク(運営者)
ここが一番びっくりする部分で、入りません。東京都が『ペットとしての飼育経験や繁殖経験は認められません』と書いています。

自宅のペットを10年飼っても数えません

実務経験および飼養経験として認められる経歴と、認められないペットの飼育経験を分けて示したチェックリスト図

(ア)の後半、飼養経験について、東京都は1行で線を引いています。

※ペットとしての飼育経験や繁殖経験は認められません。

(出典:東京都動物愛護相談センター「動物取扱責任者について」、2026年9月23日確認)

自宅の犬を10年世話してきた方。多頭飼いで猫を5匹見ている方。保護犬を引き取って育てた方。いずれも、ここでは数えられません。「実務経験と同等の1年間以上の飼養経験」の飼養は、家庭での飼育とは別のものとして扱われています。

ペットシッターを副業にしたいと考える人の多くは、まさに自宅のペットへの愛着から入ります。その経験が申請書の上でゼロとして扱われるのは、感覚としては理不尽に映るかもしれません。

ただ、制度の側から見ると筋は通っています。第一種動物取扱業は、他人の動物を預かる仕事に対する規制です。自分の家族として飼ってきた動物への接し方と、他人の動物を業として扱う技能は、別のものだという整理です。愛情の量ではなく、業務としての経験を数えています。

飼養経験1年は申請前の確認が要ります

では、どういう飼養経験なら認められるのか。東京都は基準を一覧では示していません。

実務経験と同等と認められる1年間以上の飼養経験は、申請前に認定されるか確認する必要がありますので、お手数ですが、動物愛護相談センター業務担当(電話番号:03-3302-3507)までお問い合わせください。

(出典:東京都動物愛護相談センター「動物取扱責任者について」、2026年9月23日確認)

個別判断です。書類を揃えてから窓口で否認されると、そこまでの時間が無駄になります。飼養経験ルートで行くつもりなら、何より先に電話してください。これは順番の問題であって、手間の問題ではありません。

電話の前に、自分の経験を次の形で言語化しておくと話が早く進みます。どこで、いつからいつまで、どういう立場で、何頭を、どういう業務として世話したか。期間と立場が曖昧なまま相談すると、回答も曖昧になります。

保管の実務経験は5種別から認められます

実務経験の種別には、救いがあります。同一種別でなくても認められる範囲が、思ったより広く取られています。

東京都は「営もうとする種別が『飼養施設なし』の場合」として、次の対応を示しています。訪問型のペットシッターはこちらに当たります。

営もうとする種別 実務経験が認められる関連種別(飼養施設あり・なしの両方を含む)
販売 販売、貸出し
保管 販売、保管、貸出し、訓練、展示
訓練 訓練

(出典:東京都動物愛護相談センター「動物取扱責任者について」、2026年9月23日確認)

保管の行は、5つの種別すべてに丸が付いています。ペットショップでの販売、ペットホテルでの保管、トリミングサロン、訓練所、動物園や動物ふれあい施設での展示。どれも保管の実務経験として認められる形になっています。

対照的に、訓練の行には訓練しか丸がありません。しつけまで請け負うつもりなら、訓練での実務経験がそのまま必要になります。保管のほうが入口が広い、という非対称があります。

なお、飼養施設を持つ場合の表は別に用意されていて、保管には譲受飼養も加わります。自宅で預かる形に広げるときは、そちらを見てください。

過去の職歴をもう一度たどってください。トリミングサロンも動物園も、保管の実務経験として認められる側に入っています。

登録の目処が立ったら、開業届の期限も確認しておく

資格は34あり、効く種別が違います

(ウ)の資格について見ます。東京都は現在取得可能な資格を34項目の表で公開しています。

まず押さえたいのは、資格ごとに「認められる種別」が違うことです。全種別に丸が付くものもあれば、一部にしか付かないものもあります。よく名前が挙がるものを抜き出します。

資格 団体名 保管で認められるか
愛玩動物飼養管理士(1級・2級) 公益社団法人 日本愛玩動物協会 認められる(全種別に丸)
愛犬飼育管理士 一般社団法人 ジャパンケネルクラブ 認められる(全種別に丸)
認定ペットシッター ビジネス教育連盟 ペットシッタースクール 認められる(保管・訓練・譲受飼養のみ)
ペットシッター士 NPO法人 日本ペットシッター協会 認められる(保管・訓練・譲受飼養のみ)
認定動物看護師 一般財団法人 動物看護師統一認定機構 認められる(全種別に丸)
家庭動物管理士 公益社団法人 日本ペット協会 認められる(訓練には丸なし)

(出典:東京都動物愛護相談センター「動物取扱責任者について」掲載の資格一覧、2026年9月23日確認。34項目のうち6件を抜粋しました。原文の列見出しは「認められる種別(一例)」で、網羅的な列挙ではない旨が示されています)

表の全体を眺めると、馬術や実験動物、レース鳩といった資格も並んでいます。動物取扱業という枠が、犬猫だけの話ではないことが分かります。

そして繰り返しになりますが、この表の資格をどれか取っても、それだけでは責任者になれません。(ウ)を満たすだけで、④には(ア)も必要です。

シッター系の2資格は保管・訓練・譲受飼養だけです

名前にペットシッターが入る2つの資格には、条件が付いています。

「認定ペットシッター」(ビジネス教育連盟 ペットシッタースクール)と「ペットシッター士」(NPO法人 日本ペットシッター協会)です。東京都の一覧では、どちらも保管・訓練・譲受飼養の3種別にだけ丸が付いています。販売・貸出し・展示・競りあっせんには付いていません。

さらに「ペットシッター士」には注記があります。

※平成21年4月1日以降取得したものに限る

(出典:東京都動物愛護相談センター「動物取扱責任者について」掲載の資格一覧、2026年9月23日確認)

取得時期で扱いが変わります。かなり前に取った方は、日付を確認してください。

ペットシッターとして始めるぶんには、保管に丸が付いていれば足ります。ただし将来の広がり方は変わります。たとえばペット用品の販売を足したくなったとき、この2資格では(ウ)を満たせません。愛玩動物飼養管理士のような全種別型のほうが、選択肢を残せます。

資格を選ぶときは、合格率や費用より先に「どの種別に丸が付いているか」を見てください。同じ努力で開く扉の数が違います。

ユイカ(副業初心者)
じゃあ私みたいな未経験は、もう詰みじゃないですか…。

リンク(運営者)
そこに抜け道があります。雇われて現場に出るだけなら、要件は3つのうち1つで足ります。まずそこから入る順路が現実的です。

雇われる側の要件は「いずれか1つ」です

動物取扱責任者は要件を2つ組み合わせる必要があり、雇われる職員は3つのうち1つで足りることを対比したチェックリスト図

この記事でいちばん伝えたい非対称が、ここにあります。

東京都は、動物取扱責任者とは別の区分を設けています。「事業所以外の場所において重要事項の説明等をする職員」です。誰が当たるかも明記されています。

事業所以外の場所において、顧客に対し適正な動物の飼養及び保管の方法等に係る重要事項を説明し、又は動物を取り扱う職員(ペットシッター、出張訓練等)が該当します。

そして、その要件はこうです。

以下の(1)から(3)まで要件のうち、いずれかを満たす必要があります。
(1) 種別に係わる半年以上の実務経験
(2) 種別に係る知識及び技術について1年間以上教育する学校等を卒業
(3) 公平性、専門性のある団体が行った試験により資格等を得ていること

(出典:東京都動物愛護相談センター「動物取扱責任者について」、2026年9月23日確認)

いずれか1つです。組み合わせは求められていません。

責任者のページと職員のページを行き来しながら読んでいて、ここで一度戻って読み直しました。同じページの中に、要件の重さが二段階で並んでいます。見落とすと、自分には無理だと早合点しかねない場所です。

動物取扱責任者(=自分で登録する場合) 事業所外で業務を行う職員(=雇われる場合)
必要な数 ①②以外は2つの組み合わせ いずれか1つ
資格だけで足りるか 足りない((ア)が別に要る) 足りる
実務経験だけで足りるか 足りない((イ)か(ウ)が別に要る) 足りる
学校卒業だけで足りるか 足りない((ア)が別に要る) 足りる

(出典:東京都動物愛護相談センター「動物取扱責任者について」、2026年9月23日確認。表への整理は本記事によるものです)

同じ人が、同じ家を訪ね、同じ犬を散歩させても、看板を自分で持つかどうかで要件の数が変わります。資格を1つ取れば、登録事業者に雇われる形で現場に出ることはできます。自分の登録を取るには、そこにもう1つ積む必要があります。

副業としての現実的な最短ルートが、ここから見えます。まず資格を1つ取って、登録済みの事業者のもとで職員として働きます。その在職が(ア)の実務経験になれば、半年後に自分の登録へ進めます。急がば回れ、という話ではありません。制度がその順路を想定した作りになっています。

欠格事由は10項目、区切りは5年です

要件を満たしていても、該当すると選任できない事項があります。東京都は10項目を列挙しています。

全文は長いので、副業として始める人に関係しやすいものを抜き出します。

  • 精神の機能の障害によりその業務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者
  • 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
  • 法第19条第1項の規定により登録を取り消され、その処分のあつた日から5年を経過しない者
  • 法第19条第1項の規定により業務の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
  • 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  • 暴力団員、又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

(出典:東京都動物愛護相談センター「動物取扱責任者について」、2026年9月23日確認。10項目のうち6項目を抜粋しました)

このほか、動物愛護管理法以外の法律による罰金以上の刑にも、同じ5年の期間が設けられています。対象として挙げられているのは、化製場等に関する法律、外国為替及び外国貿易法、狂犬病予防法、種の保存法、鳥獣保護管理法、外来生物法です。

条文そのものは動物の愛護及び管理に関する法律施行規則(平成18年1月20日環境省令第1号)と動物愛護管理法に置かれています。区切りはおおむね5年です。そして登録の取消しを受けた場合、その5年は責任者になれない期間として効いてきます。一度取った登録を雑に扱うと、次の5年が閉じます。

事前研修は2,500円で平日の昼3時間です

要件を満たしたら、次は研修です。登録申請の前に受けます。

動物取扱責任者の変更、あるいは第一種動物取扱業の新規登録申請に伴い、新たに動物取扱責任者となる場合は、事前研修を受講する必要があります。変更又は新規登録申請の2~3か月前になりましたら、下記連絡先まで電話でお問い合わせください。

(出典:東京都動物愛護相談センター「動物取扱責任者について」、2026年9月23日確認)

開催条件を表にします。

動物愛護相談センター本所(世田谷区) 日野市クリーンセンター(日野市)
開催日 月2~3回 月1回
研修時間 午後1時から午後4時まで(受付開始12時30分) 午後1時15分から午後4時15分まで(受付開始12時30分)
内容 講義、習得度を確認するためのテスト
手数料 2,500円(現金又はキャッシュレス決済)
持ち物 本人確認できるもの(運転免許証、マイナンバーカード等)、筆記用具(ボールペン)

(出典:東京都動物愛護相談センター「動物取扱責任者について」、2026年9月23日確認)

午後1時から4時です。平日の昼間、3時間。しかもテストがあります。申込みも電話が起点で、仮申込みの段階で要件を満たしているかの確認が入ります。

そして申請書類の一覧には「動物取扱責任者研修の修了証の写し(前年度以降のもの)」が並んでいます。研修を受けていないと、申請書を出すこと自体ができません。

申請は窓口のみ、郵送は受け付けません

研修が済んだら申請です。方法が限定されています。

第一種動物取扱業の登録申請は、動物愛護相談センター本所( 世田谷区 )及び多摩支所( 日野市 )の窓口でのみ受け付けています。事前に電話でご予約の上、ご来所ください。郵送など他の方法では登録申請を受け付けることができませんので、ご注意ください。

(出典:東京都動物愛護相談センター「第一種動物取扱業の登録手続」、2026年9月23日確認)

窓口のみ、事前予約制、郵送不可。3つの条件が重なっています。オンライン申請という選択肢は、このページには書かれていません。

23区と島しょ地域は世田谷区八幡山、多摩地域は日野市石田です。自分の事業所がどちらの管轄になるかで行き先が変わります。

登録証を郵送で受け取りたい場合の指定も細かいです。必要なのは「レターパックプラス」(フチが赤いもの)で、「レターパックライト」(フチが青いもの)では送付できないと書かれています。こういう一行を読み落とすと、もう一往復増えます。

ユイカ(副業初心者)
会社員のままでもできますか?そこがいちばん気になっていて。

リンク(運営者)
制度上は可能です。ただ研修と申請で平日の昼に2回、窓口へ行く必要があります。そこが実は一番の壁でした。

最初の壁は資格ではなく平日の昼です

ここまでの手順を、会社員が副業として踏む場合に置き換えます。

必要な来所は、最低でも2回です。1回目が事前研修(午後1時から4時)、2回目が登録申請(窓口・予約制)。どちらも平日の日中です。加えて、事前研修の申込みは電話で、受付時間は平日の午前9時から午後5時までとされています。

回 用件 平日の拘束
0 事前研修の仮申込み(電話) 平日9時〜17時に電話1本
1 事前研修の受講 12時30分受付〜16時。移動を足すと半日
2 登録申請(窓口・要予約) 半日

(出典:東京都動物愛護相談センター「動物取扱責任者について」「第一種動物取扱業の登録手続」、2026年9月23日確認。所要時間の見積もりは本記事の想定です)

ペットシッター副業を阻むのは、資格の難易度でも開業資金でもありません。平日の昼を2回空けられるかどうかです。

しかも研修は前倒しでは受けられません。東京都は「変更又は新規登録申請の2~3か月前になりましたら」と書いています。つまり研修の時期は申請時期から逆算されます。思い立ってから登録完了まで、数か月単位で見ておくのが現実的です。「来月から始めたい」は、制度の側が許していません。

有給休暇の取得しやすさは、人によってまったく違います。ここを見積もらずに資格の勉強から始めると、妙な止まり方をします。資格は取れたのに、手続きが進まない状態です。順番を逆にしてください。

必要書類は保管だと1つ少なくなります

申請書類の一覧にも、業種による差があります。

東京都の表は、書類ごとに3つの列で丸を付けています。「販売業(犬猫)」「貸出し・犬猫以外の販売」「保管・訓練・展示・競りあっせん・譲受飼養」の3列です。保管の列だけを読むと、次のようになります。

書類 保管で必要か
第一種動物取扱業登録申請書 必要
第一種動物取扱業の実施の方法 丸が付いていない
法第12条第1項第1号から第7号の2までに該当しないことを示す書類 必要
飼養施設の平面図 飼養施設を設置しない場合は不要
飼養施設の付近の見取図 必要(設置しない場合も提出に協力)
登記事項証明書・役員の氏名及び住所の一覧 申請者が法人の場合必要
土地及び建物について事業の実施に必要な権原を有することを示す書類 必要
犬猫等健康安全計画 不要(販売業(犬猫)のみ)
ケージ等の規模を示す平面図・立面図 犬猫を取り扱う場合必要
動物取扱責任者研修の修了証の写し(前年度以降のもの) 必要

(出典:東京都動物愛護相談センター「第一種動物取扱業の登録手続」、2026年9月23日確認)

「第一種動物取扱業の実施の方法」(様式第1別記)に、保管の列は丸が付いていません。販売と貸出しにだけ求められる書類です。

飼養施設についても差があります。平面図は設置しない場合は不要です。ただし付近の見取図には、設置しない方も提出への協力を求める注記が付いています。不要と書かれていないので、用意していく前提で考えたほうが安全です。

用途地域によっては営めない場所があります

書類の前に、もっと上流の確認があります。その住所でそもそも第一種動物取扱業を営めるかどうかです。

東京都は登録案内ページの冒頭に、囲みでこう置いています。

【都市計画法・建築基準法関連の確認】
申請の前に必ず業を営む地域の各区市町村の担当課(都市計画課、建築指導課など)に事業内容を説明し、業を営むことができるかどうかの確認をしてください。
第一種動物取扱業を営むことができない又は建築物に制限がかかる地域があります。

(出典:東京都動物愛護相談センター「第一種動物取扱業の登録について」、2026年7月10日更新・2026年9月23日確認)

「申請の前に必ず」と書かれています。動物愛護相談センターではなく、区市町村の都市計画課や建築指導課が相手です。窓口が違います。

同じページの「6 他の法令の確認」には、確認先が3つ並んでいます。食品衛生関係は保健所、建築物の用途制限は区役所・市役所の建築関係窓口(多摩地域の一部市町村は東京都多摩建築指導事務所)、消防関係は消防署です。

訪問型のペットシッターは自宅で動物を預かりません。それでも事業所の住所は登録されます。用途制限に引っかかるかどうかは、自分では判断できません。電話1本で済む確認を、書類作成より先に置いてください。

賃貸を事業所にするなら権原の書類が要ります

保管の列にも丸が付いている書類のうち、副業で引っかかりやすいものが1つあります。

「事業所及び飼養施設の土地及び建物について事業の実施に必要な権原を有することを示す書類」です。持ち家なら登記の関係書類で説明が付きます。賃貸だと、賃貸借契約書や、場合によっては貸主の承諾が関係してきます。

ここで問題になるのが、賃貸借契約の用途条項です。多くの住宅用契約は「専ら住居として使用する」と定めています。事業所として登録することが契約上どう扱われるかは、物件と契約によって変わります。本記事は契約書の解釈を示す立場にありません。

ただし、書類そのものの答えは公表されています。東京都の申請様式一覧には、権原を示すための様式が2種類用意されています。

様式 名称 必要になる場面(東京都の注記)
別紙様式1 場所使用権原自認書 土地又は建物を自身で所有しており、不動産の登記事項証明書が提出できない場合
別紙様式2 場所使用承諾証明書 土地又は建物を借り受けており、賃貸借契約書に動物取扱業の営業を認める旨の記載がない場合

(出典:東京都動物愛護相談センター「第一種動物取扱業申請様式等」、2026年6月16日更新・2026年9月23日確認)

賃貸で、契約書に動物取扱業の営業を認める記載がない状態。これが副業で始める人のほぼ標準です。その場合に使うのが別紙様式2で、貸主に記入してもらう承諾証明書になります。記載例もPDFで公開されています。

現実的な順番は、こうなります。まず自分の賃貸借契約書の用途条項を読んでください。次に、管理会社や貸主に別紙様式2への記入を依頼できるかを相談します。そのうえで、用途地域の確認結果とあわせて動物愛護相談センターへ相談する形になります。

訪問型のペットシッターは、実際の作業を顧客の家で行います。自宅では動物を預かりません。それでも事業所の登録は必要で、書類も求められます。作業場所と事業所は別の概念です。

手数料は1種別15,000円です

お金の話に移ります。東京都の登録手数料は次のとおりです。

手数料は1種別につき15,000円です。ただし、同時に申請する場合の手数料は以下のとおりです。
・ 2種別同時申請 計25,000円
・ 3種別同時申請 計35,000円
・ 4種別同時申請 計45,000円
・ 5種別同時申請 計55,000円

(出典:東京都動物愛護相談センター「第一種動物取扱業の登録手続」、2026年9月23日確認)

あわせて、返金されない旨も明記されています。「一度納付された手数料は、返金できません」。要件を満たしていないまま申請して不許可になった場合の扱いは、このページからは読み取れませんでした。だからこそ、事前の電話確認が効きます。

繰り返しますが、この金額は東京都のものです。登録の窓口は都道府県または政令指定都市で、手数料は条例で定められます。他の自治体では違う金額になります。

2種別目は同時申請で5,000円安くなります

上の手数料表を計算し直すと、設計が見えてきます。

1種別目が15,000円、2種別目以降は1つあたり10,000円です。この規則で全部の金額が説明できます。

  • 2種別 = 15,000 + 10,000 = 25,000円
  • 3種別 = 15,000 + 10,000 × 2 = 35,000円
  • 4種別 = 15,000 + 10,000 × 3 = 45,000円
  • 5種別 = 15,000 + 10,000 × 4 = 55,000円

(出典:本記事による計算。金額の出典は東京都動物愛護相談センター「第一種動物取扱業の登録手続」、2026年9月23日確認)

ここから実務的な結論が出ます。保管を取った後で訓練を足す場合、それは新たな1種別目として15,000円です。最初から2種別を同時に申請していれば、2つ目は10,000円でした。差は5,000円になります。後出しのほうが高くつきます。

3種別なら差はさらに開きます。保管だけ先に取り、後から訓練と販売を1つずつ足すと、15,000円 × 3 で45,000円です。最初から3種別同時なら35,000円。10,000円の差になります。

もっとも、種別を増やすと満たすべき要件も増えます。第12章で見たとおり、訓練の実務経験は訓練からしか認められません。安く済ませたいから同時に取る、という順番では通りません。要件を満たしている種別が複数あるなら同時に出したほうが安い、という話です。

しつけまで受けるつもりがあるなら、保管と訓練を同時に申請できないか検討してください。後から足すと5,000円高くなります。

登録手数料や研修費を経費にできるかを確認する

初期17,500円は訪問6回分です

事前研修2,500円と登録手数料15,000円を合計した17,500円が、60分3,000円の訪問6回分にあたることを示した計算図

副業として始めるときの、最低限の初期費用を出します。

東京都で保管1種別を登録する場合、公式資料から金額が確定しているのは2つです。事前研修の手数料2,500円と、登録手数料15,000円。合計17,500円です。

これを売上で割ります。本記事は、1回60分3,000円の訪問という前提を置きます。実際の料金は地域とサービス内容で変わりますし、筆者が営業して得た相場ではありません。あくまで割り算のための仮の数字です。

  • 17,500円 ÷ 3,000円 = 5.83回 → 6回の訪問で回収できる計算
  • 登録は5年間有効なので、17,500円 ÷ 5年 = 年3,500円
  • 年3,500円 ÷ 12か月 = 月あたり約292円

(出典:本記事による計算。手数料の出典は東京都動物愛護相談センター、訪問単価は本記事が置いた前提です)

保管と訓練の2種別なら、2,500円 + 25,000円 = 27,500円。同じ前提で9.17回、つまり10回の訪問です。

金額そのものは、副業の初期投資として重い部類ではありません。カメラを買う副業でも、在庫を持つ副業でも、もっとかかります。ペットシッター副業のコストは、お金ではなく時間の側に寄っています。半年の実務経験、数か月のリードタイム、平日の昼2回。これを費用換算すると、17,500円がかすみます。

なお、この計算には交通費、賠償責任保険、鍵の管理用品、名刺やチラシ、連絡用の回線費用が入っていません。継続的にかかるのはむしろそちらです。

登録は5年ごとに更新します

一度取れば終わりではありません。

登録は、5年ごとに更新しなければなりません。

(出典:東京都動物愛護相談センター「第一種動物取扱業の登録手続」、2026年9月23日確認)

更新の手数料は、登録手続のページにも更新手続の専用ページにも書かれていませんでした。金額を知りたい場合は窓口に確認してください。なお登録証を失くした場合の再交付は、東京都動物愛護相談センター「第一種動物取扱業申請様式等」に「1種別につき手数料2,800円」と明記されています。

あわせて、期中の届出義務もあります。「登録後、動物取扱責任者の氏名等申請事項に変更が生じた場合には、届出が必要です」。廃業についても同じです。「第一種動物取扱業の廃止等の場合には、廃業等の届出が必要です」。副業をやめるときにも手続きが残ります。

そして更新は、書類を出して終わりではありません。東京都は更新手続の流れをこう説明しています。

当センターに書類が到着次第、順次、事業所等確認検査の日程調整のため、ご連絡いたします。
※ 飼養施設がない場合は、事業所のみの立入検査となります。

調整した日時に事業所及び飼養施設へ立入検査を行います。その際、ホームページの内容や、5年間の保存が義務付けられている台帳等の確認を行います。
※ 事業所等の確認は平日の日中に実施します。

(出典:東京都動物愛護相談センター「第一種動物取扱業登録更新手続」、2026年6月26日更新・2026年9月23日確認)

飼養施設がなくても、事業所への立入検査はあります。自宅を事業所にしているなら、自宅です。しかも確認の対象にホームページの内容が入っています。第31章で扱う広告の記載事項は、ここで照合される項目でもあります。

実施は平日の日中です。5年に1度、また平日が要ります。新規登録のときの2回と合わせて考えてください。

なお更新申請そのものは、新規と扱いが違います。東京都は「同封の返信用封筒での郵送、または窓口へご持参のうえご提出ください」と案内しています。新規は窓口のみでしたが、更新は郵送が使えます。必要書類一式は満了日の約2か月前を目途に事業所宛てへ郵送されます。

副業は、生活の変化で止まることがあります。転勤、出産、本業の繁忙。そのときに廃業の届出を出さずに放置すると、第28章で扱う罰則の対象になり得ます。始める手続きと同じくらい、やめる手続きを覚えておいてください。

帳簿と定期報告は保管業者の義務ではありません

入口の要件が重いぶん、続けるときの事務は軽く設計されています。

環境省は帳簿の作成義務について、対象をこう限定しています。

第一種動物取扱業者のうち、動物の販売、貸出し、展示、譲受飼養を行う場合は、飼養する個体に関して、①品種等、②繁殖者名等、③生年月日、④所有日等、⑤購入先、⑥販売・引渡し日、⑦販売・引渡し先、⑧販売・引渡し先が関係法令に違反していないことの確認状況、⑨販売担当者名、⑩対面説明等の実施状況等、⑪貸出し目的・期間等、⑫死亡した場合には死亡日、⑬死亡原因について帳簿に記載し、5年間保存しなければなりません。

(出典:環境省「第一種動物取扱業者の規制」、2026年9月23日確認)

販売、貸出し、展示、譲受飼養の4つです。保管は入っていません。毎年度5月30日までの定期報告届出書も、同じ4業種に向けた義務として記載されています。東京都のページも、この4業種に絞って案内しています。表題は東京都動物愛護相談センター「動物販売業者等(販売業、貸出業、展示業、譲受飼養業)のみなさまへ(帳簿の備付け・定期報告届出について)」です。

理由は業の中身を考えると分かります。帳簿の項目は、個体の来歴と流通の記録です。品種、繁殖者名、生年月日、購入先、販売先。動物の所有権が動く業種を追跡するための仕組みです。保管業は所有権を動かしません。預かるだけ、あるいは訪問して世話をするだけです。追跡すべき流通がありません。

もっとも、これは法定の帳簿義務がないという話に留まります。顧客ごとの記録や作業の報告は、事故が起きたときに自分を守る材料になります。義務ではないことと、要らないことは違います。

帳簿の項目を1つずつ読んでいて気づいたのは、この13項目が「誰の手に渡ったか」を追う設計になっていることでした。保管業だけが外れている理由は、条文ではなく項目の並びのほうに書いてあります。

無登録営業は100万円以下の罰金です

登録せずに始めた場合の扱いを確認します。

登録せずに営業した場合や改善命令や業務停止命令に従わなかった場合は、100万円以下の罰金に処せられます。また、登録内容の変更を届出なかったり、虚偽の報告をした場合は、30万円以下の罰金に処せられます。

(出典:環境省「第一種動物取扱業者の規制」、2026年9月23日確認)

金額に段差があります。整理します。

行為 罰則
登録せずに営業した 100万円以下の罰金
改善命令・業務停止命令に従わなかった 100万円以下の罰金
登録内容の変更を届出なかった 30万円以下の罰金
虚偽の報告をした 30万円以下の罰金

(出典:環境省「第一種動物取扱業者の規制」、2026年9月23日確認)

100万円のほうは、登録制度そのものの外に出る行為です。30万円のほうは、登録の中にいながら情報を正しく保たない行為。制度の外に出ることのほうが、内側での不備より3倍以上重く設定されています。

第16章で見たとおり、罰金以上の刑に処せられると、その執行が終わった日から5年間は責任者になれません。無登録で始めて罰金を受けると、そこから5年、正規の登録への道も閉じる構造です。

「最初は小さく、登録は軌道に乗ってから」という始め方は、この仕事では成立しません。東京都は「業」の定義をこう書いています。

第一種動物取扱業とは、有償・無償の別を問わず反復・継続して事業者の営利を目的として動物の取扱いを行う、社会通念上、 業(ぎょう)として認められる行為のことをいいます。

(出典:東京都動物愛護相談センター「第一種動物取扱業の登録について」、2026年7月10日更新・2026年9月23日確認)

有償・無償の別を問いません。お試し期間だからと無報酬で請け負っても、反復・継続して営利を目的とするなら業に当たり得ます。「お金をもらっていないから大丈夫」という線引きは、この定義では通りません。

登録が消えても2年間は立入検査があります

やめた後の扱いにも、期間の定めがあります。

登録の効力が失われたときや登録を取り消された後も、その事由が生じた日から2年間は、立入検査等の対象になります。

(出典:環境省「第一種動物取扱業者の規制」、2026年9月23日確認)

2年です。廃業届を出しても、更新せずに登録が切れても、その日から2年は検査の対象として残ります。

第16章の欠格事由は5年、この立入検査は2年。期間が使い分けられています。5年は「人」に対する制限で、2年は「事業の後始末」に対するものと読めますが、期間差の理由を説明した記述は確認できませんでした。

実務として言えるのは1つです。やめた後も、記録や書類はすぐに捨てないでください。2年間は説明を求められる可能性が残っています。

責任者には年1回以上の研修義務があります

最後の継続義務です。登録したら終わりではありません。

東京都は動物取扱責任者の役割として、3つを挙げています。

  • 自ら勤務する第一種動物取扱業において、動物愛護管理法等の違反が行われないように動物及び施設の管理に関わる者を監督する
  • 動物及び施設の管理に関しての不備又は不適事項を発見した場合は、第一種動物取扱業者に対して、改善を進言する
  • 東京都が開催する動物取扱責任者研修(法定研修)を1年に1回以上受講する

(出典:東京都動物愛護相談センター「動物取扱責任者について」、2026年9月23日確認)

3つ目について、東京都はこう念を押しています。「この研修の受講は法律で義務付けられておりますので、お知らせが届きましたら、期限内にお申込みいただき、必ず受講してください」。

一人で始めた副業の場合、1つ目の「監督する」も2つ目の「進言する」も、相手は自分です。形式だけ見ると奇妙ですが、そういう建て付けになっています。実質的に効いてくるのは3つ目です。毎年1回、研修に出る時間を確保する必要があります。

この法定研修の手数料と所要時間は、今回の調査では確認できませんでした。新規の事前研修が2,500円・3時間だったことから類推したくなりますが、根拠がないので書きません。登録後に届く案内で確認してください。

広告には8項目の記載義務があります

集客を始める前に、もう1つ義務があります。広告の記載事項です。

東京都は、ホームページを含む広告に必ず書かなければならない項目を8つ挙げています。

ホームページによるものも含め、事業の実施に係る広告には、以下の項目を必ず記載しなければなりません。
1. 氏名・名称
2. 事務所の名称
3. 事業所の所在地
4. 第一種動物取扱業の種別
5. 登録番号
6. 登録年月日
7. 登録の有効期間の末日
8. 動物取扱責任者の氏名

(出典:東京都動物愛護相談センター「第一種動物取扱業の登録について」、2026年7月10日更新・2026年9月23日確認)

環境省の「守るべき基準」でも、動物の管理方法等に関する事項に「広告の表示規制」が挙げられています。

ここが副業として始める人に効いてきます。SNSのプロフィールにも、チラシにも、氏名と事業所の所在地を書くことになります。自宅を事業所にしているなら、自宅の住所です。匿名のアカウントで集客する形は、この義務と相性がよくありません。

さらに、広告の禁止事項も3つ定められています。

  • 事実に反して飼養が容易であると誤解させる内容
  • 幼齢時の愛らしさを過度に強調した内容
  • 生態・習性に反した行動を過度に強調した内容

(出典:東京都動物愛護相談センター「第一種動物取扱業の登録について」、2026年9月23日確認。東京都は「安易な飼養の助長を防止するため」と理由を添えています)

かわいい写真を並べて集客したくなる仕事です。そこに線が引かれています。

更新のたびに手入れも要ります。東京都は「更新後は、掲示する標識及び広告(チラシ、ホームページ、SNS等)の内容を新しい登録情報に書き換えてください。」と案内しています。あわせて「広告に記載する登録年月日は、最初に登録した年月日となります」とも書いています。書き換えるのは有効期間の末日のほうです。

(出典:東京都動物愛護相談センター「第一種動物取扱業登録更新手続」、2026年6月26日更新・2026年9月23日確認)

この記事が扱わない3つのこと

範囲をはっきりさせておきます。本記事は、第一種動物取扱業の登録に必要な要件と手続きに絞りました。次の3つは扱っていません。

1. 税務の取り扱い

開業届をいつ出すか、経費に何が入るか、確定申告が必要になる金額はいくらか。いずれも動物愛護管理法とは別の話です。当サイトでは副業の開業届、副業の経費、副業の確定申告、副業のインボイスに分けてまとめてあります。登録手数料や研修費の扱いも、そちらで確認してください。

勤務先に知られたくない場合の住民税の扱いは、副業が会社にバレない方法で整理しています。登録簿が自治体で公開されている点は、この記事の第34章のよくある質問でも触れます。

2. 事故が起きたときの法的責任

飼養施設を設ける場合の設備や管理の基準は、第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令(令和3年環境省令第7号)に定められています。本記事は訪問型を前提にしているため、その内容には立ち入っていません。

預かった動物が怪我をした場合、逃げた場合、他人を咬んだ場合。こうした場面の賠償責任は、契約と民法の問題です。筆者は弁護士ではなく、本記事は法的評価を行いません。賠償責任保険の要否を含め、始める前に専門家か保険会社に相談してください。

3. 集客と単価の作り方

どこで顧客を見つけるか、いくらに設定するか。本記事は制度の側だけを見ています。地域で顧客を探す方法については、ジモティー副業で掲示板型の取引の注意点をまとめました。依頼を受けて納品する形の副業全般については、Skeb副業で手数料と規約の読み方を扱っています。

ユイカ(副業初心者)
制度の話が多くて、結局まず何をすればいいのか分からなくなってきました…。

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1つだけです。職歴を書き出して、常勤で半年以上の動物関連の在職があるか探してください。そこで道が分かれます。

今日やること

職歴の確認から用途地域の確認、資格取得、電話相談、事前研修、窓口申請へ進む6段階のフロー図

順番を間違えると時間を損します。優先度の高い順に3つだけ挙げます。

1. 自分に(ア)があるかを確認する

過去の職歴を思い出してください。ペットショップ、ペットホテル、トリミングサロン、訓練所、動物園、動物ふれあい施設。常勤の職員として半年以上在職していれば、保管の実務経験として認められる可能性があります。第12章の表で、自分の経歴が関連種別に入るかを見てください。

自宅のペットの飼育歴は数えません。ここは期待しないでください。

2. 該当しそうなら、資格を1つ選ぶ

(ア)がある人は、④のルートが最短です。(ウ)を満たす資格を1つ取れば要件が揃います。第13章の表を見て、保管だけでなく将来足したい種別にも丸が付いているものを選んでください。

(ア)がない人は、順番が変わります。まず資格を1つ取り、登録済みの事業者に雇われる側として現場に入ります。第15章で見たとおり、雇われる側の要件は「いずれか1つ」です。半年の在職が(ア)になれば、自分の登録へ進めます。

3. 自治体の窓口に電話する

東京都なら動物愛護相談センター業務担当(03-3302-3507)、多摩地域なら多摩支所(042-581-7435)です。他の自治体にお住まいなら、その自治体の動物愛護管理担当部局になります。

聞くのは4点です。自分の経歴が実務経験として認められるか。事前研修の直近の開催日はいつか。賃貸の自宅を事業所にする場合、別紙様式2でよいか。そして、その住所で業を営めるかを区市町村のどこに聞けばよいか。書類を揃える前に電話してください。順番が逆だと、揃えた書類が無駄になります。

用途地域の確認先は動物愛護相談センターではありません。区市町村の都市計画課や建築指導課です。東京都は「申請の前に必ず」と書いています。ここだけは、先に別の窓口へ行く必要があります。

今日のうちに職歴を書き出して、常勤で半年以上あった動物関連の在職期間を探してください。そこが出発点です。なければ、雇われる側から入る計画に切り替えてください。

動物が入らない訪問型の副業と比べてみる

よくある質問

登録の要否と、選任要件に関する質問を中心に18問を並べました。回答の根拠はいずれも環境省または東京都の公開資料です。

Q1. ペットシッターの副業に資格は必要ですか?

資格そのものは必須ではありません。ただし第一種動物取扱業の登録が必要で、その登録には動物取扱責任者の選任が要ります。責任者の選任要件には4つの選択肢があります。獣医師または愛玩動物看護師でなければ、実務経験または飼養経験に、学校卒業または資格を組み合わせる形になります。つまり実質的には、資格か学校卒業のどちらかが要ることになります。

Q2. 資格を取れば登録できますか?

できません。資格は選任要件の(ウ)を満たすだけです。④のルートには(ア)「種別に係る半年以上の実務経験 又は 実務経験と同等の1年間以上の飼養経験」も必要です。令和2年6月1日の施行で、この組み合わせが求められるようになりました。

Q3. 自分の家で犬を10年飼っています。飼養経験になりますか?

なりません。東京都は「ペットとしての飼育経験や繁殖経験は認められません」と明記しています。実務経験と同等と認められる1年間以上の飼養経験は、扱いが個別判断です。申請前に動物愛護相談センターへ電話で確認するよう案内されています。

Q4. 動物を預からず、訪問して世話をするだけでも登録が必要ですか?

必要です。環境省は「代理販売やペットシッター、出張訓練などのように、動物の所有や飼養施設がない場合も、規制の対象になります」と書いています。飼養施設がないことは、登録を免れる理由になりません。

Q5. ペットシッターはどの業種で登録しますか?

「保管」です。環境省の一覧は、保管の業の内容を「保管を目的に顧客の動物を預かる業」としています。該当する業者の例には「ペットのシッター」が入っています。しつけも請け負う場合は「訓練」が別に必要になる可能性があるため、窓口で確認してください。

Q6. 金魚や熱帯魚の世話だけでも登録が要りますか?

第一種動物取扱業の対象は、実験動物・産業動物を除く哺乳類、鳥類、爬虫類です。魚類や両生類、昆虫はこの3つに入りません。ただし依頼は動物が混ざることが多く、犬や猫が含まれた時点で登録の話になります。

Q7. 登録にいくらかかりますか?

東京都の場合、事前研修の手数料2,500円と、登録手数料1種別15,000円で、合計17,500円です。2種別を同時に申請する場合の登録手数料は25,000円です。手数料は自治体ごとに異なるため、他の地域では金額が変わります。

Q8. 保管と訓練の両方を取りたい場合、同時と別々でどちらが安いですか?

同時のほうが5,000円安くなります。東京都の手数料は1種別15,000円、2種別同時25,000円です。別々に申請すると15,000円が2回で30,000円になります。ただし種別ごとに要件を満たす必要があり、訓練の実務経験は訓練からしか認められません。

Q9. 登録はどれくらいの期間で取れますか?

東京都は事前研修についてこう案内しています。「変更又は新規登録申請の2~3か月前になりましたら、下記連絡先まで電話でお問い合わせください」。研修を受けてから申請する流れのため、思い立ってから数か月単位で見ておくのが現実的です。審査そのものの標準処理期間は、今回の調査では確認できませんでした。

Q10. 申請は郵送やオンラインでできますか?

東京都では窓口のみです。「郵送など他の方法では登録申請を受け付けることができませんので、ご注意ください」と明記されています。事前の電話予約も必要です。

Q11. 会社員のまま登録できますか?

登録そのものに、本業の有無を問う条件は見当たりませんでした。ただし動物取扱責任者は「常勤かつ専属」で、他店との兼務ができません。また事前研修と申請で平日の昼に2回来所する必要があります。勤務先の副業規程は別に確認してください。

Q12. 賃貸のアパートを事業所にできますか?

土地及び建物について事業の実施に必要な権原を有することを示す書類の提出が求められます。賃貸借契約の用途条項によって扱いが変わるため、管理会社と自治体の両方に確認してください。本記事は契約の解釈を示す立場にありません。

Q13. 帳簿を付ける義務はありますか?

法定の帳簿義務は、販売、貸出し、展示、譲受飼養の4業種に課されています。保管は入っていません。毎年度5月30日までの定期報告届出書も同じ4業種が対象です。ただし顧客ごとの作業記録は、事故時に自分を守る材料になります。

Q14. 登録しないで始めるとどうなりますか?

登録せずに営業した場合は100万円以下の罰金に処せられます。さらに罰金以上の刑に処せられると、その執行を終わった日から5年間は動物取扱責任者になれません。無登録で始めると、正規の登録への道も5年閉じることになります。

Q15. 登録は何年有効ですか?

5年ごとに更新が必要です。更新時の手数料は、東京都の登録手続のページからは確認できませんでした。また動物取扱責任者の氏名等に変更が生じた場合や、廃業する場合にも届出が必要です。

Q16. 登録した後、毎年やることはありますか?

動物取扱責任者は、自治体が開催する法定研修を1年に1回以上受講する義務があります。東京都は「この研修の受講は法律で義務付けられております」と案内しています。研修の手数料と所要時間は、今回の調査では確認できませんでした。

Q17. 登録すると名前や住所が公開されますか?

2つの経路があります。1つは自治体の一覧です。東京都は「第一種動物取扱業者一覧」を令和8年7月1日現在の内容で公開しており、区部1〜4・島しょと多摩地域1〜2に分けてExcelとPDFで配布しています。もう1つは自分で出す広告です。ホームページやSNSを含む広告には、氏名・事業所の所在地・登録番号・動物取扱責任者の氏名など8項目の記載義務があります。匿名では集客できない設計です。住民税の観点からの注意点は、副業が会社にバレない方法にまとめています。

Q18. まず何から始めればいいですか?

自分に「常勤の職員として半年以上」の動物関連の在職経験があるかを確認してください。あれば資格を1つ取れば要件が揃います。なければ、資格を1つ取って登録事業者に雇われる側から入る順路が現実的です。雇われる側の要件は3つのうちいずれか1つで足ります。

まとめ

ペットシッターの副業は、資格の話から入ると回り道になります。

環境省はペットシッターを名指しで規制対象に挙げ、飼養施設がない場合も対象だと書いています。業種は「保管」です。登録には動物取扱責任者の選任が必要で、令和2年6月1日からその要件は4つの選択肢になりました。獣医師でも愛玩動物看護師でもなければ、③と④のどちらを選んでも(ア)が付いてきます。「半年以上の実務経験、又は1年間以上の飼養経験」です。

そして東京都は、その飼養経験からペットとしての飼育経験と繁殖経験を明示的に外しました。自宅で犬を飼ってきた年数は数えられません。

一方で、雇われて現場に出る職員の要件は「いずれか1つ」です。同じ家を訪ね、同じ犬を散歩させても、看板を自分で持つかどうかで必要な要件の数が変わります。この非対称が、副業としての現実的な順路を決めます。資格を1つ取って、登録事業者のもとで半年働きます。その在職が(ア)になって、自分の登録が見えてきます。

費用は東京都で17,500円です。60分3,000円の訪問6回で回収できる水準で、5年で割れば月292円。重いのはお金ではありません。半年の実務経験、数か月のリードタイム、平日の昼2回の来所。時間の側にコストが寄っています。

始める前に電話を1本かけてください。自分の経歴が実務経験として認められるか。答えがイエスなら、道のりは思ったより短くなります。

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