打ち合わせがありません。リテイクもありません。リクエストが届いて、描いて、納品したら終わりです。空いた時間に1枚描けば、その場で報酬が振り込まれます。
Skebのクリエイターガイドラインは、このサービスをこう説明しています。「クリエイターが有利になるように設計されています」。この記述は誇張ではありません。リクエストに従う義務がないことまで規約に書いてある場所は、そうありません。
そのうえで、この記事が扱うのは次の一点です。リクエスト手数料は「最大9.8%」で、6.8%まで下がります。ただし下がる条件は2つとも、絵の質でも枚数でもありません。募集を閉じないことと、XのプロフィールにSkebのURLを載せることです。
手数料が何で決まるかは、そのサービスが何に対してお金を払っているかを表します。Skebが値引きしているのは、制作ではなく「露出」のほうです。
規約とガイドラインを順に読み比べていて、最初に手が止まったのがこの割引条件でした。他社なら実績や取引額で刻む場所です。Skebはそこに「過去30日間リクエストの募集を継続している場合」と書きました。作ることと、開けておくことは別だと言っています。
この記事でわかること
- リクエスト手数料が最大9.8%で、条件次第で8.3%・6.8%になること
- 割引条件の2つとも、作品の質や本数と関係がないこと
- 5,000円未満のリクエストには割引が適用されないこと
- おまかせ金額3,470円〜4,999円では、5,000円に上げたほうが引かれる額が減ること(本記事の計算)
- 返答締切日数をクライアントが「3日」「7日」にすると割引が外れること
- ブースト手数料が別建てで最大13.6%であること
- 特定商取引法の表記には「最大13.6%」しか書かれていないこと
- 出金手数料が銀行458円・Kyash254円で、1回の申請ごとにかかること
- 出金サイクルの選び方だけで年16,488円動くこと(本記事の計算)
- 規約がリクエストに従う義務はないと明記していること(第5条2項2号)
- 運営自身が「いかなる完成度でも異議を申し立てることができません」と書いていること
- 納品義務はあるが、クリエイター側は無条件で解除できること(第5条2項1号)
- 納品しても著作権はクライアントに移らないこと(第5条2項5号)
- 納品期限が「承認した日」ではなく「送信された日」から起算されること
- 期限を超過しても全額返金でペナルティがないこと
- ギブアップは締切超過扱いとなり締切厳守率に影響すること
- 売上が付与から1年で失効すること(出資法の制限)
- アカウントを削除すると出金申請中の売上も無効になること
- 2026年7月30日の改定で差押え対応手数料8,000円(税別)が入ったこと
- 同改定で遅延損害金が年14.6%と定められたこと
- 同改定で作業データと誓約書の提出要求、売上金の支払留保が入ったこと
- イラスト・コミックで3Dモデルや生成AIデータを納品できないこと
- 事前・事後を問わずSNSのDMでの打ち合わせが禁止されていること
- 料金表の掲示が規約とポリシー違反とされていること
- 紛争をクリエイターとクライアントの二者間のみで解決する合意があること(第10条7項)
- 事業者に該当する場合は特定商取引法に基づく表記が義務になること
この記事の調べ方(編集方針)
- 本記事は、副業ジャンルの記事を90本以上制作している当サイト編集部が作成しました。事実部分の出典はSkeb公式(利用規約・クリエイターガイドライン・クライアントガイドライン・特定商取引法に基づく表記)に限定し、確認日を本文中に明記しています。調査日は2026年9月22日です。
- 本記事は弁護士・税理士の監修を受けていません。そのぶん、解釈が分かれる論点では断定を避け、規約や公式資料の原文をそのまま引用する方針を取っています。契約上の最終判断は運営または専門家に確認してください。
- 手数料率・出金条件は運営会社が改定する項目です。本記事の数字は2026年9月22日に公式資料で確認した値です。募集を始める前に必ず最新の表示を確認してください。
- 体験談は載せていません。筆者はSkebでリクエストを受けた経験がありません。金額例はすべて「本記事が置いた前提」と明記しています。
- 公式資料に記載を確認できなかった論点は「確認できませんでした」と明記しています。
本記事の調査で埋まらなかった論点
今回当たったのは、Skeb「利用規約」(2026年7月30日改定)、「クリエイターガイドライン」、「クライアントガイドライン」、「特定商取引法に基づく表記」です。そのうえで、次の点は確認できませんでした。
- 手数料率に消費税が含まれるかどうか。規約第10条8項は差押え対応の手数料だけを「1件あたり8,000円(消費税別)」と書いています。リクエスト手数料9.8%とブースト手数料13.6%には、税の有無を示す記載が見当たりませんでした。
- 特定商取引法の表記に9.8%が出てこない理由。同表記の「役務の対価」は「取引機会の提供: 代金に対する最大13.6%の手数料」の1行だけです。この13.6%がリクエスト手数料を含む全体の上限なのか、ブースト手数料のみを指すのかを説明したページは確認できませんでした。
- 「返金の取り扱い方法: 役務の性質上不可」と全額返金の関係。特定商取引法の表記は返金不可と書き、クリエイターガイドラインは期限超過時に「クライアントへ報酬の全額が返金されます」と書いています。前者は運営の手数料、後者は報酬を指すと読めますが、両者の関係を説明した記述は見つかりませんでした。
- ブースト手数料の割引条件。「手数料率はリクエスト手数料とは別に設定されています」とあるだけで、13.6%が下がる条件を示したページは確認できませんでした。
- 「イラストの平均承認金額は約12,000円」の集計期間と母数。数値そのものはクリエイターガイドラインに記載がありますが、いつからいつまでの何件を集計したものかは書かれていませんでした。
イラストを売る副業としては、ココナラ副業や3Dモデル副業も別にまとめてあります。Skeb自身が「打ち合わせが必要な案件はSKIMAさんやココナラさんの利用をご検討ください。」と案内しているとおり、この2つは役割が違います。生成AIを用いた案件についても、Skebは別のサービス(プロンプトン)を案内しています。この記事は、Skebで手元にいくら残るかと、何を引き受けて何を引き受けないのかに絞ります。
目次
- 結論:9.8%を6.8%にする条件は、絵と無関係です
- Skebは「リクエストに従う義務はない」と書いています
- 運営自身が「異議を申し立てることができません」と書いています
- 納品義務はありますが、片側だけ無条件で解除できます
- 納品しても、著作権はクライアントに移りません
- 支払われているのは成果物ではなく制作行為です
- リクエスト手数料は9.8%・8.3%・6.8%の3段です
- 割引条件1は「描くこと」ではなく「閉じないこと」です
- 割引条件2はXのプロフィールに1行足すことです
- 5,000円未満には割引が適用されません
- 3,470円と5,000円で引かれる額が逆転します
- 返答締切日数はクライアントが選びます
- ブースト手数料は別建てで最大13.6%です
- 特商法の表記に9.8%は出てきません
- 出金は銀行458円・Kyash254円です
- 出金サイクルの選択で年16,488円変わります
- 12,000円のリクエストで手元に残る額
- 組戻手数料880円は名義の打ち間違いで発生します
- 売上は1年で失効します|根拠は出資法です
- アカウントを消すと出金申請中の売上も消えます
- 納品期限は「承認した日」から数えません
- 期限を超えても全額返金でペナルティはありません
- ギブアップは締切厳守率に影響します
- 2026年7月30日の改定で増えたもの
- 作業データと誓約書を求められることがあります
- 3Dモデルと生成AIデータは納品できません
- DMでの打ち合わせは事前も事後も禁止です
- 料金表を出すこと自体が違反になります
- 紛争は二者間のみで解決する合意があります
- 今日やること
- よくある質問
- まとめ
- 結論:9.8%を6.8%にする条件は、絵と無関係です
- Skebは「リクエストに従う義務はない」と書いています
- 運営自身が「異議を申し立てることができません」と書いています
- 納品義務はありますが、片側だけ無条件で解除できます
- 納品しても、著作権はクライアントに移りません
- 支払われているのは成果物ではなく制作行為です
- リクエスト手数料は9.8%・8.3%・6.8%の3段です
- 割引条件1は「描くこと」ではなく「閉じないこと」です
- 割引条件2はXのプロフィールに1行足すことです
- 5,000円未満には割引が適用されません
- 3,470円と5,000円で引かれる額が逆転します
- 返答締切日数はクライアントが選びます
- ブースト手数料は別建てで最大13.6%です
- 特商法の表記に9.8%は出てきません
- 出金は銀行458円・Kyash254円です
- 出金サイクルの選択で年16,488円変わります
- 12,000円のリクエストで手元に残る額
- 組戻手数料880円は名義の打ち間違いで発生します
- 売上は1年で失効します|根拠は出資法です
- アカウントを消すと出金申請中の売上も消えます
- 納品期限は「承認した日」から数えません
- 期限を超えても全額返金でペナルティはありません
- ギブアップは締切厳守率に影響します
- 2026年7月30日の改定で増えたもの
- 作業データと誓約書を求められることがあります
- 3Dモデルと生成AIデータは納品できません
- DMでの打ち合わせは事前も事後も禁止です
- 料金表を出すこと自体が違反になります
- 紛争は二者間のみで解決する合意があります
- 今日やること
- よくある質問
- Q1. Skebのリクエスト手数料は何%ですか?
- Q2. 手数料の割引を受けるには、たくさん納品する必要がありますか?
- Q3. アカウントの開設や募集にお金はかかりますか?
- Q4. 出金手数料はいくらですか?
- Q5. 出金サイクルはどれを選ぶとよいですか?
- Q6. おまかせ金額はいくらに設定すべきですか?
- Q7. クライアントの指定どおりに描けなかったらどうなりますか?
- Q8. 納品した作品の著作権はクライアントに移りますか?
- Q9. 納品期限はいつから数えますか?
- Q10. 締切に間に合わなかったらどうなりますか?
- Q11. 売上を放置するとどうなりますか?
- Q12. 退会するときに気をつけることはありますか?
- Q13. 生成AIを使ったイラストは納品できますか?
- Q14. 2026年7月30日の改定で何が変わりましたか?
- Q15. クライアントとDMでやり取りしてもいいですか?
- Q16. 料金表をプロフィールに載せてもいいですか?
- Q17. ブーストの手数料はリクエスト手数料と同じですか?
- Q18. トラブルになったら運営が仲裁してくれますか?
- Q19. 確定申告は必要ですか?
- Q20. 会社に知られずに始められますか?
- まとめ
結論:9.8%を6.8%にする条件は、絵と無関係です
Skebのリクエスト手数料は最大9.8%です。これが8.3%、条件が揃えば6.8%まで下がります。クリエイターガイドラインは割引の条件をこう書いています。
リクエスト手数料は最大9.8%ですが、下記の1または2のいずれかに該当する場合は8.3%に割引、両方に該当する場合は6.8%に割引となります。
1. リクエストが送信、および承認されたどちらの時点でも、クリエイターが過去30日間リクエストの募集を継続している場合
2. リクエストが送信、および承認されたどちらの時点でも、クリエイターの連携元のX (旧: Twitter)アカウントのプロフィールの説明欄またはURL欄に、SkebのURL(https://skeb.jp/@ユーザーID)を掲載している場合
(Skeb「クリエイターガイドライン」2026年9月22日確認)
条件を読み直してください。1つ目は「募集を継続していること」、2つ目は「XにURLを載せていること」です。納品した枚数も、完成度も、評価も出てきません。
つまりSkebが手数料を下げている相手は、うまく描いた人ではありません。募集を閉めずに開けておいて、Skebに人を連れてきた人です。
この設計は、次章から見る「リクエストに従う義務はない」という条文と一続きです。作品の中身に運営が触れない以上、手数料の刻み方も作品の中身では決められません。
Skebは「リクエストに従う義務はない」と書いています
契約の中身は利用規約の第5条にあります。まず、従う義務についての条文です。
クリエイターは、クライアントのリクエスト(キャラクター、構図、解像度、差分、ファイル形式、その他いかなる内容も含みます。)に従う義務はなく、また、作品の内容や完成度について一切の保証を行わないものとします。ただし、クリエイターは、クライアントのリクエストに可能な限り配慮して作品制作を行うものとします。
(Skeb「利用規約」第5条2項2号・2026年7月30日改定・2026年9月22日確認)
受注仕事の常識からすると、かなり踏み込んだ書き方です。ファイル形式まで含めて従う義務がないと書いてあります。
ただし但し書きが付いています。「可能な限り配慮して作品制作を行う」。従う義務はないが、配慮はします。この2文のあいだが、実務で悩む場所になります。
実際に副業として使うなら、ここは防具として読むのが正しいでしょう。指定どおりに描けなかったときに、契約違反として追及される構造にはなっていません。
運営自身が「異議を申し立てることができません」と書いています
規約の条文は硬いので、Skebは各条に「重要なポイント」という平易な要約を付けています。第5条のそれが、この記事でいちばん直截な一文です。
クリエイターはキャラクター、構図、解像度、差分、ファイル形式など、いかなる内容も従う必要がなく、クライアントは納品物がいかなる完成度でも異議を申し立てることができません。
(Skeb「利用規約」第5条 重要なポイント・2026年9月22日確認)
クライアントガイドラインにも、ほぼ同じ内容が書かれています。
完成度はクリエイターが決定し、クライアントは完成度に異議を申し立てることができません。(中略)いかなる納品物でも問題ないという条件に同意できない場合、本サービスを利用することはできません。
(Skeb「クライアントガイドライン」2026年9月22日確認)
注意しておきたいのは、この記述が規約本体ではなく要約とガイドラインにあることです。規約自身が「利用規約と『重要なポイント』の内容に差異がある場合には利用規約が優先されます」と断っています。実際の線引きは第5条2項2号の条文のほうで決まります。
なお、白紙や棒線のような創作性に欠けるファイルは、システム側でアップロードできないようになっているとクライアントガイドラインに記載があります。異議を申し立てられないことと、何を出してもいいことは同じではありません。
納品義務はありますが、片側だけ無条件で解除できます
「従う義務はない」の前に、納品義務そのものを定めた号があります。ここが片務的です。
クリエイターは、クライアントのリクエストを基に作品を制作し、納品する義務を負います。ただし、クリエイターは、運営会社所定の方法でキャンセルを行うこと(納品期限までに納品しないことを含みます。)により、クリエイターの裁量で利用者間契約を無条件解除することが可能です。
(Skeb「利用規約」第5条2項1号・2026年9月22日確認)
前半で義務を作り、後半で「クリエイターの裁量で」「無条件解除」できると書いています。しかも解除の方法には「納品期限までに納品しないこと」が含まれます。
義務という言葉は残っていますが、履行を強制する仕組みは付いていません。契約の建て付けとしては、片側にだけ解除権を置いた形です。
| できること | クリエイター | クライアント |
|---|---|---|
| 承認前のキャンセル | 可(理由は明かされない) | 可(非推奨と案内) |
| 承認後の一方的な解除 | 可(ギブアップ・期限超過) | 記載を確認できず |
| 納品物への異議 | ― | 不可 |
| 納品期限を早める | ― | 不可(暗に希望するのも違反) |
(Skeb「利用規約」および「クライアントガイドライン」2026年9月22日確認をもとに本記事が整理)
納品しても、著作権はクライアントに移りません
もう一つ、受注仕事の常識と異なる条文があります。権利の帰属です。
作品が納品された場合であっても、作品の著作権、知的財産権、その他一切の権利はクライアントに譲渡されず、クリエイターに帰属するものとします。ただし、クリエイターはクライアントに対し、納品された作品について、個人観賞に用いること、当該クライアントのSNS上のプロフィール画像として使用すること、その他規約とポリシー等に定める範囲に限り、その利用を許諾するものとします。
(Skeb「利用規約」第5条2項5号・2026年9月22日確認)
クリエイターガイドラインも「権利譲渡なし。すべての著作権がクリエイターのもの。」と見出しを立てています。納品した絵を、クライアントの許可なくSNSや同人誌に載せてよいとまで書いてあります。
クリエイターはクライアントの許可なくSNSや同人誌、パトロンサービスに自由に掲載・発表する権利を有します。作業配信や途中経過の公開を歓迎しています。この権利をクライアントが制限することはできません。クライアントへ掲載許可の確認等を行わないでください。
(Skeb「クリエイターガイドライン」2026年9月22日確認)
最後の1文が効いています。許可を取ること自体をやめてくださいと書かれています。よかれと思って確認を送ると、それがローカルルールの押し付けになるという整理でしょう。
支払われているのは成果物ではなく制作行為です

ここまでの3つの条文を並べると、リクエスト料が何の代金なのかが見えてきます。
- 指定に従う義務はない(第5条2項2号)
- 完成度の保証もしない(同)
- 納品しても権利は移らない(第5条2項5号)
規約はこの3つを置いたうえで、報酬を「クリエイターによる作品制作の対価」と定義しています(第5条2項3号)。作品の対価ではありません。制作の対価です。
言い換えると、クライアントが買っているのは絵そのものではありません。その人に描いてもらうという出来事のほうです。
だから完成度に文句を言えませんし、権利も付いてきません。納品後の返金についても、2026年7月30日改定の規約が第5条1項でこう定めました。
運営会社は、作品の納品後は、理由の如何を問わず、クライアントに対し、既に支払われた報酬の返金義務を負いません。ただし、クリエイターおよびクライアント双方の合意によりキャンセルが成立し、かつ運営会社がこれを承認した場合は、この限りではありません。
(Skeb「利用規約」第5条1項・2026年9月22日確認)
副業として始める側から見れば、これは相当に強い保護です。そのうえで手数料の割引条件が制作と無関係なのも、同じ論理の延長にあります。運営は作品の中身を評価しないと決めた以上、中身で値段を変えられません。
リクエスト手数料は9.8%・8.3%・6.8%の3段です

数字を整理します。クリエイターガイドラインの記述をそのまま表にしたものです。
| 状態 | リクエスト手数料 | 12,000円のとき引かれる額 |
|---|---|---|
| 条件1・2のどちらも満たさない | 9.8% | 1,176円 |
| 条件1または2のどちらか | 8.3% | 996円 |
| 条件1・2の両方 | 6.8% | 816円 |
(率はSkeb「クリエイターガイドライン」2026年9月22日確認。金額は本記事の計算)
アカウントの開設と募集は無料です。手数料は納品したときにリクエストの金額から天引きされ、クライアントが追加で払うことはありません。
アカウントの開設やリクエストの募集は無料です。
作品を納品した際に所定のリクエスト手数料がリクエストの金額から天引きされます。
クライアントが追加で手数料をお支払いすることはありません。
(Skeb「クリエイターガイドライン」2026年9月22日確認)
9.8%と6.8%の差は3.0ポイントです。小さく見えますが、後の章で年額に直すと印象が変わります。
もう一点、公開されている条件の外側にも触れておきます。利用規約の第3条「重要なポイント」には「このサービスの常連さんや運営会社の他サービスを契約中の方に、手数料等の優遇をすることがあります」と書かれています。運営の裁量による優遇がありうる、という記述です。条件や基準は示されていないため、本記事は9.8%・8.3%・6.8%の3段を前提に話を進めます。
割引条件1は「描くこと」ではなく「閉じないこと」です
条件1は「過去30日間リクエストの募集を継続している場合」です。期間の判定に、納品した件数は入っていません。
さらに判定のタイミングが2回あります。「リクエストが送信、および承認されたどちらの時点でも」と書かれています。送信時に30日を満たしていても、承認するまでに募集を閉じれば外れます。
ジャンル単位である点も見落としやすいところです。ガイドラインは「募集を継続していた該当ジャンルのみリクエスト手数料の割引が適用されます」と書いています。イラストの募集を続けていても、ボイスを閉じていればボイスは割引されません。
もう一つ、自分の意思と関係なく継続が切れる場合があります。
AIが生成したデータを使用していないことを確認するために一時募集を停止させていただき、クリエイターの方にご連絡させていただく場合がございます。審査の結果にかかわらず、募集期間はリセットとなります。あらかじめご了承ください。
(Skeb「クリエイターガイドライン」2026年9月22日確認)
審査の結果にかかわらずリセットされます。潔白でも30日を数え直す形です。ここは事前に知っておいたほうがよい仕様でしょう。
募集を「閉じる」ボタンを押す前に、その月の割引が切れることを思い出してください。休むならジャンル単位で考えるほうが損が小さくなります。
割引条件2はXのプロフィールに1行足すことです
条件2は、連携元のXアカウントのプロフィール説明欄またはURL欄に、SkebのURLを載せることです。作業としては1行の追記で終わります。
ただし判定が厳密です。ガイドラインが挙げている無効パターンを並べます。
- URLが
https://skeb.jp/@ユーザーIDの形式でない(短縮URL、@が抜けているもの、他人のユーザーID) - プロフィールではなく固定投稿に書いている
- Misskey.io、Bluesky、VRChatのプロフィールに書いている(対象外)
- XにURLはあるが、Skeb側のプロフィールが同期できていない
- リクエストを受信または承認した後に掲載した
同期には数日かかることがあるとも書かれています。急ぐ場合はアカウントの「SNSからプロフィールを同期」から手動で更新するよう案内されています。
条件1と違い、こちらは1回やれば終わりです。やっていない人にとっては、絵を1枚も多く描かずに手数料が1.5ポイント下がる作業です。先にこれを済ませてから募集を始めるのが順番として合理的でしょう。
なお、この条件はSkebへの導線を増やす行為に対する値引きです。クライアント側にURL掲載の義務はないとも明記されています。
5,000円未満には割引が適用されません
割引には金額の下限があります。ガイドラインの記述は1行です。
5,000円未満のリクエストには適用されません。
(Skeb「クリエイターガイドライン」2026年9月22日確認)
条件を2つとも満たしていても、4,999円のリクエストは9.8%で計算されます。ここが次章の逆転につながります。
参考までに、ガイドラインはイラストの平均承認金額を「約12,000円」と書いています。平均だけを見れば下限を大きく上回りますが、おまかせ金額を低めに置いているうちは下限側に張り付きます。
| リクエスト金額 | 適用される率(条件2つとも満たす場合) | 引かれる額 |
|---|---|---|
| 4,000円 | 9.8% | 392円 |
| 4,999円 | 9.8% | 490円 |
| 5,000円 | 6.8% | 340円 |
| 12,000円 | 6.8% | 816円 |
(率はSkeb「クリエイターガイドライン」2026年9月22日確認。金額は本記事の計算。4,999円の490円は小数点以下を四捨五入した参考値)
3,470円と5,000円で引かれる額が逆転します
前章の表を見ると、4,999円より5,000円のほうが引かれる額が少なくなっています。逆転が始まる金額を計算しました。
割引後の5,000円で引かれる額は、5,000円 × 6.8% = 340円です。割引なしの9.8%で340円になる金額は、340円 ÷ 9.8% ≒ 3,469円です。
本記事の計算
- 5,000円 × 6.8% = 340円
- 3,470円 × 9.8% = 340.06円
- 3,469円 × 9.8% = 339.96円
つまり、おまかせ金額を3,470円から4,999円のあいだに置いていると、5,000円に上げたほうが引かれる額そのものが減ります。
片方の条件しか満たしていない場合(8.3%)は、5,000円 × 8.3% = 415円が基準です。415円 ÷ 9.8% ≒ 4,235円なので、逆転の境目は4,235円あたりに上がります。
誤解のないように書いておきます。これは「引かれる額」の逆転であって、手取り額は当然5,000円のほうが多くなります。4,000円なら3,608円、5,000円なら4,660円です。言いたいのは、4,000円台という設定が率のうえでも額のうえでも損だということです。
金額の設定にはおまかせ金額と最低金額の2つしかなく、料金プランや見本置き場はありません。おまかせ金額を5,000円に寄せるだけで、ここは解決します。
返答締切日数はクライアントが選びます
割引が外れる条件は、金額のほかにもあります。しかも片方はクライアントが選ぶもので、もう片方は相手の履歴にも左右されます。
返答締切までの日数は、クライアントが「クリエイター設定」、「3日」、「7日」から選択できます。
クライアントが返答締切日数を「3日」、「7日」に設定した場合、手数料割引の対象外となります。
(Skeb「クリエイターガイドライン」2026年9月22日確認)
選ぶのはクライアントです。急いでいるクライアントが「3日」を選んだ結果、こちらの手数料が9.8%に戻ります。
除外はもう1系統あります。警告を受けている場合です。
過去30日以内に警告を受けたクリエイターまたは過去60日以内に警告を受けたクライアントが関与するリクエストには適用されません。自作自演のリクエストも同様です。
(Skeb「クリエイターガイドライン」2026年9月22日確認)
クライアント側は60日と、こちら側の30日より長く設定されています。自分が警告を受けていなくても、相手が受けていれば割引は効きません。
30日間ずっと募集を開け、XにURLも載せた人でも、この設定ひとつで9.8%になります。手数料が自分の行動だけで決まらない部分がここです。
紛らわしいので整理しておきます。ここで割引を外すのは返答締切日数、つまりこちらが返事をするまでの猶予であって、制作の締切ではありません。クライアントが猶予を縮めた結果、こちらの手数料が上がる構造です。
対策と呼べるものは多くありません。承認する前ならキャンセルできる、という以上のことは公式資料からは読み取れませんでした。金額と締切のバランスを見て承認するかを決める、という判断材料として持っておく形になります。
ブースト手数料は別建てで最大13.6%です
納品後にクライアントが金額を上乗せする「ブースト」があります。この手数料は別の率です。
ブースト手数料は最大13.6%で、手数料率はリクエスト手数料とは別に設定されています。
(Skeb「クリエイターガイドライン」2026年9月22日確認)
リクエスト本体の最大9.8%に対して、ブーストは最大13.6%です。3.8ポイント高い設定になっています。
クライアントガイドラインによれば、ブーストは1作品につき1回限り、500円以上100円単位で、リクエスト本体と合算して299,999円までです。完成度を保証する交換条件にすることは禁止されています。
「フルカラーで描いていただければブーストします」といったブーストの利用約束と作品の完成度を保証することを交換条件にする等の行為は禁止されています。
(Skeb「クライアントガイドライン」2026年9月22日確認)
ブースト手数料の割引条件は、公式資料では確認できませんでした。「別に設定されています」とあるだけです。手取りを見積もるときは13.6%で置いておくのが安全でしょう。
特商法の表記に9.8%は出てきません
ここは読み比べて気づいた点です。特定商取引法に基づく表記の「役務の対価」欄には、こう書かれています。
取引機会の提供: 代金に対する最大13.6%の手数料
(Skeb「特定商取引法に基づく表記」2026年9月22日確認)
9.8%という数字は、この欄に現れません。13.6%という上限だけが示されています。
読み方は2つ考えられます。リクエスト手数料とブースト手数料の両方を含めた最大値として13.6%を書いた、という読み方。もう一つは、ブースト手数料の率だけを書いた、という読み方です。
どちらなのかを説明したページは確認できませんでした。実務上の影響はほぼありませんが、金額の根拠として引くならガイドラインのほうを見るべきだと考えます。
出金の事務手数料についても同じ書き方です。特商法の表記は「出金申請1回につき最大458円の事務手数料」とだけ書き、ガイドラインが銀行458円・Kyash254円と内訳を示しています。上限だけを書く様式で統一されているようです。
出金は銀行458円・Kyash254円です
報酬から手数料を引いた売上は、出金申請をして受け取ります。金額は次のとおりです。
出金手数料は1回の出金申請あたり、銀行口座の場合は458円、Kyashの場合は254円です。
(Skeb「クリエイターガイドライン」2026年9月22日確認)
定額です。金額の大小にかかわらず1回458円がかかります。出金先は日本の銀行口座かKyashで、Kyashに変更するには銀行口座での出金実績が必要です。
初回だけは仕様が違います。有効な銀行口座かを確認するため、初回納品時は全額が出金されます。口座が確認できてから、出金サイクルの設定とKyashへの変更ができるようになります。
着金の速さは特徴として前面に出されています。ゼロタイム振込機能が有効なら申請後ただちに、無効なら24時間後です。ただしゼロタイム振込は利用実績のあるクリエイターから順次有効化されると書かれており、最初から使えるとは限りません。
出金サイクルの選択で年16,488円変わります

出金サイクルは2つから選べます。納品のたびに出す「エクスプレス」と、最後の出金から1ヶ月経過したときに出す「月次」です。
定額458円なので、回数がそのまま費用になります。月4件納品する前提で年額を出しました。
本記事の計算(前提:月4件納品・銀行口座・ブーストなし)
- エクスプレス:458円 × 4回 × 12ヶ月 = 21,984円
- 月次:458円 × 12回 = 5,496円
- 差額:16,488円
年16,488円は、12,000円のリクエスト1.4件ぶんに相当します。着金の速さを取るか、この額を取るかという選択です。
Kyashで月次にすると254円 × 12回 = 3,048円まで下がります。エクスプレスの銀行出金と比べれば18,936円の差です。ただし前章のとおり、Kyashに変えるには銀行口座での出金実績が先に必要です。
前章までの手数料と合わせると、同じ本数を描いても年33,768円動きます。内訳は手数料の差17,280円(9.8%と6.8%で年間報酬576,000円のとき)と、出金サイクルの差16,488円です。
12,000円のリクエストで手元に残る額

1件あたりに戻して計算します。ガイドラインが示すイラストの平均承認金額12,000円を使いました。
| 最も高くつく場合 | 最も安く済む場合 | |
|---|---|---|
| リクエスト金額 | 12,000円 | 12,000円 |
| リクエスト手数料 | 9.8% = 1,176円 | 6.8% = 816円 |
| 出金手数料(1件あたり) | 458円(エクスプレス) | 114.5円(月次・月4件で按分) |
| 手元に残る額 | 10,366円 | 11,069.5円 |
(率と手数料はSkeb「クリエイターガイドライン」2026年9月22日確認。計算は本記事による)
差は1件あたり703.5円です。年48件なら33,768円になります。
この差を埋めるためにやることは、Xのプロフィールに1行足すことと、募集を閉じないことと、出金サイクルを月次にすることの3つだけです。制作時間は1分も増えません。
なお、この表はブーストを含めていません。ブーストが付いた場合は、上乗せ分に最大13.6%が別途かかります。
今日のうちにXのプロフィールへ https://skeb.jp/@ユーザーID を1行足して、出金サイクルを月次に変えてください。この2つで年3万円台が動きます。
組戻手数料880円は名義の打ち間違いで発生します
出金に失敗すると、追加の費用がかかります。
誤った銀行口座情報によって出金に失敗した場合、前回の出金手数料に加え、組戻手数料880円をご負担いただきます。
(Skeb「クリエイターガイドライン」2026年9月22日確認)
前回の出金手数料458円に880円が加わるので、1回のミスで1,338円です。月次出金3ヶ月分に近い額になります。
ガイドラインは失敗の原因も名指ししています。口座名義人にハンドルネームやローマ字表記を入れてしまうケースと、ゆうちょ銀行の銀行コード・支店コード・口座番号が正確でないケースの2つです。
個人名義なら多くは氏名のカタカナ表記です。ハンドルネームで活動している人ほど、ここは間違えやすいところでしょう。
売上は1年で失効します|根拠は出資法です
受け取らずに置いておくと、売上は消えます。規約の第4条6項です。
運営会社は、売上が付与されてから1年が経過した場合、紐付けされていた未振込売上を失効させることができます。
(Skeb「利用規約」第4条6項・2026年9月22日確認)
理由も「重要なポイント」に書かれています。「出資法の制限により、売上発生から1年が経過すると、出金申請をしていない売上が失効します」。運営の都合ではなく、預り金の規制に由来する設計だと説明されています。
月次出金にしていれば1年放置は起きません。問題になるのは、募集を止めて残高を放置した場合です。
同じ第4条には、最終ログインから1年以上経過したアカウントを、実施日の1ヶ月前までにメール通知したうえで停止または削除できるとも書かれています。売上の失効とアカウントの停止は、どちらも1年が節目になっています。
アカウントを消すと出金申請中の売上も消えます
退会の扱いは、特に注意が要ります。規約とガイドラインの両方に書かれています。
停止または削除されたアカウントは、紐付けされていた未振込売上が失効します。
(Skeb「利用規約」第4条8項・2026年9月22日確認)
クリエイターガイドラインはさらに踏み込んだ表現です。
アカウントを削除すると、出金申請中を含むすべての売上が無効となります。
いかなる理由であっても一度削除されたアカウントの復旧はできません。
(Skeb「クリエイターガイドライン」2026年9月22日確認)
「出金申請中を含む」の6文字が重いところです。申請を出したから安心、とはなりません。着金を確認してから退会する順番を守ってください。
規約第4条9項は、誤ってアカウントを削除した場合でも復旧できないと明記しています。取り消しの効かない操作。ここだけは順番を間違えないでください。
納品期限は「承認した日」から数えません
スケジュールの感覚を狂わせやすい仕様があります。期限の起算日です。
承認期限はリクエストが送信された日から起算されます。
納品期限はリクエストが送信された日から起算されます。
承認のタイミングを遅くしても納品期限は伸びず、クライアントによってキャンセルされる可能性が高まります。
(Skeb「クリエイターガイドライン」2026年9月22日確認)
承認した日ではありません。届いた日からです。3日迷ってから承認すると、制作にあてられる日数が3日減ります。
しかも待っているあいだ、クライアント側は未承認のリクエストを自主的にキャンセルできます。迷うほど不利になる設計です。
延長は一切ありません。ガイドラインは「締切直前はサーバが混み合ったり、ネットワークの障害が発生することもあります。障害やメンテナンスによる期限の延長はありません」と書いています。障害を理由にしても伸びないと明言されています。
承認の前にやるべきこともあります。資料は承認の時点でダウンロードすること、資料が確認できないリクエストは承認しないことです。DMで資料を要求する行為は規約違反になります。
期限を超えても全額返金でペナルティはありません
間に合わなかったときの扱いは、副業として始める人にとって最大の不安でしょう。答えは明快です。
報酬はリクエストを承認した段階で運営がお預かりしており、報酬の未払いを回避できます。
もし締切を超過してもクライアントに全額が返金されるので安心です。ペナルティもありません。
(Skeb「クリエイターガイドライン」2026年9月22日確認)
クライアントガイドラインも「納品期限までに作品が納品されない場合は、当該納品期限をもってキャンセルされたものとみなされます」と書いています。自動でキャンセルになり、お金は戻ります。
損害賠償の話は出てきません。第5条2項1号の「無条件解除」が、ここで実際の動きとして現れる形です。
キャンセル後の救済もあります。「再送要請」を送り、クライアントが同意すれば承認待ちに戻せます。理由の説明や積極的なキャンセル通知は行われないとも書かれており、断ること自体の心理的な負担は軽くしてあります。
ギブアップは締切厳守率に影響します
ペナルティなし、と前章で書きました。ただし何も記録されないわけではありません。
承認したリクエストを即時にキャンセルしたい場合はギブアップ機能を利用してキャンセルすることができます。ギブアップしたリクエストは締切超過扱いとなり締切厳守率に影響します。
(Skeb「クリエイターガイドライン」2026年9月22日確認)
締切厳守率という指標があります。ギブアップも期限超過も、ここに反映されます。
この数字をリセットしようとしてアカウントを作り直すと、別の制約に当たります。ガイドラインは、締切厳守率のリセットや実績・違反履歴の消去を防ぐためと理由を挙げたうえで、「アカウントを再作成された場合は、リクエストの募集をお断りさせていただく場合があります」と書いています。
複数アカウント自体は作れますが、売上受取口座として別々の銀行口座を登録する行為は第8条26号で禁止行為に挙げられています。
2026年7月30日の改定で増えたもの
利用規約は2026年7月30日に改定されています。その前は2024年11月1日、さらに前は2023年12月1日です。
2023年12月1日版と現行版を並べて読むと、増えた条文の方向がはっきりしています。第10条に3つの項が足されました。
| 追加された内容 | 条文 | 金額・率 |
|---|---|---|
| 差押え等への対応にかかる事務処理手数料 | 第10条8項 | 1件8,000円(消費税別)+実費 |
| 金銭債務の支払遅延に対する遅延損害金 | 第10条9項 | 年14.6%(1年365日の日割) |
| 作業データ・誓約書の提出要求と売上金の支払留保 | 第10条10項・11項 | ― |
(Skeb「利用規約」2026年7月30日改定・2026年9月22日確認をもとに本記事が整理。2023年12月1日版のPDFと比較)
第5条1項の「納品後は理由の如何を問わず返金義務を負わない」という一文も、2023年12月1日版にはありませんでした。第2条には制裁措置等対象国に関する項が追加されています。
改定の向きを一言でまとめるなら、クリエイター側の提出義務と、運営が売上を止められる場面が増えた、ということになります。次章で中身を見ます。
作業データと誓約書を求められることがあります
第10条10項は、確認が必要と運営が判断した場合の手続きを定めています。
運営会社は、当該利用者に対し、当該コンテンツに関する作業データその他運営会社が指定する資料(以下「本作業データ等」といいます。)の提出を求めることができるものとします。
(Skeb「利用規約」第10条10項1号・2026年9月22日確認)
続く2号で、誓約書の提出も求められます。誓約書には氏名、住所、電話番号その他運営会社が指定する事項を含むと書かれています。
応じなかった場合の効果が4号です。
利用者が運営会社の定める期間内に本作業データ等及び本誓約書の提出を提出しない場合、運営会社は、当該コンテンツに係る売上金の支払を留保し、またはアカウントを停止することができるものとします。
(Skeb「利用規約」第10条10項4号・2026年9月22日確認)
背景は生成AIの確認です。クリエイターガイドラインも「AIが生成したデータを使用していないことを確認するために、レイヤー分けされた作業データのご提出を求める場合があります」と書いています。
実務的な備えは1つです。納品したファイルの作業データを、納品後もしばらく残しておくことです。PSDを統合して捨ててしまうと、求められたときに出せません。ガイドラインは納品形式としてPSDを推奨しており、その理由を「運営スタッフによる納品物の確認を円滑に実施するため」と書いています。
3Dモデルと生成AIデータは納品できません
納品物には形式の制限があります。規約の禁止行為に直接書かれています。
運営会社所定のジャンルにおいて、イラストや漫画以外の3Dモデル、スクリーンショットまたは生成AIが一部もしくは全部を生成したデータを納品する行為
(Skeb「利用規約」第8条21号・2026年9月22日確認)
「一部もしくは全部」とあります。仕上げの一部にだけ使った場合も含まれる書き方です。
VRoid StudioやBlenderで3Dを扱っている人、Midjourneyのような生成AIを制作に組み込んでいる人にとっては、Skebは受け皿になりません。3Dモデルの販売ならBOOTHを使う経路のほうが素直です。生成AIを用いた案件については、Skeb自身がクリエイターガイドラインの冒頭でプロンプトンというサービスを案内しています。禁止しているだけで放り出してはいません。
対象となるジャンルは、イラスト、コミック、ボイス、テキスト、ムービー、ミュージックに、アドバイスを加えた7区分です。ガイドラインの本文は「イラスト、コミック、ボイス、テキスト、ムービーおよびミュージック専用です」と6つを挙げ、その下の一覧にアドバイスが並んでいます。数え方が1つずれる書き方です。
全ジャンル共通の禁止もあります。ガイドラインは「商業書籍の朗読、歌唱、合成音声ソフト(ボイスチェンジャーは除く)の使用、実写のNSFWは全ジャンルで禁止されています」と書いています。ボイスだけの話ではありません。4つとも全ジャンルにかかります。
指定ジャンルと異なる形式で納品することも規約違反になります。イラストのリクエストにテキストを添えて返す、といった対応はできません。
DMでの打ち合わせは事前も事後も禁止です
Skebの設計思想がいちばん強く出ているのが、コミュニケーションの制限です。
事前・事後を問わず、SNSのDMやメールで打ち合わせやリテイクを行わないでください。
(Skeb「クリエイターガイドライン」2026年9月22日確認)
ガイドラインは理由も書いています。「Aさんは打ち合わせしてくれたのにあなたはしてくれないのですか」といったトラブルが過去にあったためです。
つまりこれは、クリエイターを守るためにクリエイターの自由を縛っている規則です。丁寧に対応した人が次から基準にされてしまう構造を、ルールで止めています。
クラウドワークスのような案件応募型とは、ここが根本的に違います。向こうは提案文と打ち合わせが仕事の一部です。Skebはそれを禁止しています。
ローカルルールの設定も禁止されています。「こちらのURLを確認いただけた方のみリクエストを送ってください」といった、サービス共通ルール以上の制約をクライアントに課さないよう明記されています。
料金表を出すこと自体が違反になります
金額の決め方にも制限があります。完成度を事前に保証してはいけません。
完成度は「◯◯円以上ならフルカラー」というように前もって保証せず、それぞれのリクエストの金額と内容に応じてクリエイターが柔軟に決めてください。(中略)料金表をはじめ事前に完成度を保証する一切の行為は禁止されています。
(Skeb「クリエイターガイドライン」2026年9月22日確認)
20,000円でラフを描いてもよく、5,000円でフルカラーを描いても問題ないと書かれています。個々のリクエストの金額は第三者には公開されません。
第5条2項2号の「完成度について一切の保証を行わない」と、この禁止は同じことを言っています。保証しないと決めた以上、保証を前提にした料金表は成り立ちません。
金額感がつかめない場合は「金額の自動調整」機能があります。統計情報をもとにシステムがおまかせ金額を毎日動かす仕組みです。リクエストを受信するたびに上がり、間が空くと下がると説明されています。
紛争は二者間のみで解決する合意があります
最後に、何かあったときの話です。規約第10条7項は短い一文です。
利用者は、作品に関する紛争をクリエイターとクライアントの二者間のみで解決することに同意します。
(Skeb「利用規約」第10条7項・2026年9月22日確認)
同条6項で、運営会社は経済産業省「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」(令和7年2月12日改訂)にいう「ユーザー間取引プラットフォームのサービス運営事業者」であり、作品に対して一切の責任を負わないことに同意する、とも定められています。
「重要なポイント」の言い方はもっと平たいものです。「『指定のデザインと違う』等のトラブルは運営会社で判断ができないため、二者間で解決してください。作品に関する問い合わせには運営会社では対応しません」。
もっとも、完成度への異議自体が封じられているので、その種の紛争は起きにくい設計になっています。ジモティーのように取引自体をユーザー間に委ねる仕組みと、発想は同じ系統です。
事業者に該当する場合の表示義務にも触れておきます。ガイドラインは、売上や出品状況によっては特定商取引法に基づく表記で氏名や住所等の公開が義務付けられると書いています。判断の材料として挙げられているのは、先ほどの経済産業省の準則です。運営が勝手に個人情報を公開することはなく、対象者が自分で設定する形です。
税務の扱いは、規模によって確定申告や開業届、インボイスの論点に入ります。液晶タブレットやソフトの費用をどこまで経費にできるかも、あわせて確認しておくとよいでしょう。Skebのガイドラインも「一定の収入が発生した場合は確定申告が必要となります」とだけ書いており、具体的な判断は各自に委ねています。会社に知られたくない場合の住民税の扱いは別記事にまとめました。
今日やること

読み終えたその日に終わる作業を3つだけ挙げます。制作時間は増えません。
| 順番 | やること | 効果 |
|---|---|---|
| 1 | XのプロフィールにSkebのURLを1行足し、Skeb側で同期する | 手数料が1.5ポイント下がる |
| 2 | 出金サイクルを「月次」に変更する | 月4件なら年16,488円の節約(本記事の計算) |
| 3 | おまかせ金額が4,000円台なら5,000円に上げる | 率も引かれる額も下がる(本記事の計算) |
そのうえで、募集は閉じずに開けておいてください。30日の継続が切れると、受けられる割引幅が3.0ポイントから1.5ポイントへ半分になります。
口座名義がカタカナで正確に登録されているかも、この機会に見ておくとよいでしょう。組戻手数料880円は、確認1分で避けられる出費です。
まずは1枚、締切に余裕のあるリクエストだけを承認してみてください。間に合わなくても全額返金でペナルティはありません。
よくある質問
手数料と出金、そして「間に合わなかったとき」に関する質問を中心に20問を並べました。回答の根拠はいずれも公式資料です。
Q1. Skebのリクエスト手数料は何%ですか?
最大9.8%です。クリエイターガイドラインは、2つの条件のどちらかを満たすと8.3%、両方を満たすと6.8%に下がると書いています。条件は「過去30日間リクエストの募集を継続していること」と「連携元のXアカウントのプロフィールにSkebのURLを掲載していること」の2つです。
Q2. 手数料の割引を受けるには、たくさん納品する必要がありますか?
必要ありません。割引の条件は募集の継続とXへのURL掲載の2つだけで、納品した件数や作品の完成度は条件に含まれていません。ただし5,000円未満のリクエストには割引が適用されず、クライアントが返答締切日数を「3日」「7日」に設定した場合も対象外になります。
Q3. アカウントの開設や募集にお金はかかりますか?
かかりません。クリエイターガイドラインは「アカウントの開設やリクエストの募集は無料です」と明記しています。手数料は作品を納品したときにリクエストの金額から天引きされ、クライアントが追加で支払うことはありません。
Q4. 出金手数料はいくらですか?
1回の出金申請あたり、銀行口座なら458円、Kyashなら254円です。金額にかかわらず定額でかかります。出金先をKyashに変更するには、先に銀行口座での出金実績が必要です。
Q5. 出金サイクルはどれを選ぶとよいですか?
回数が費用に直結するので、急がないなら「月次」です。月4件納品する前提だと、納品ごとに出す「エクスプレス」は年21,984円、月次は年5,496円で、差額は16,488円になります(本記事の計算)。着金の速さを優先する場合はエクスプレスを選ぶ形です。
Q6. おまかせ金額はいくらに設定すべきですか?
4,000円台に置いているなら5,000円に上げてください。5,000円未満は割引の対象外なので、条件を2つとも満たしている場合、4,000円の手数料392円に対して5,000円は340円と、引かれる額そのものが逆転します(本記事の計算)。参考値として、ガイドラインはイラストの平均承認金額を約12,000円としています。
Q7. クライアントの指定どおりに描けなかったらどうなりますか?
利用規約第5条2項2号は「クライアントのリクエスト(キャラクター、構図、解像度、差分、ファイル形式、その他いかなる内容も含みます。)に従う義務はなく、また、作品の内容や完成度について一切の保証を行わない」と定めています。同条の「重要なポイント」も、クライアントは完成度に異議を申し立てられないと書いています。ただし但し書きで「可能な限り配慮して作品制作を行う」とも定められています。
Q8. 納品した作品の著作権はクライアントに移りますか?
移りません。利用規約第5条2項5号は、納品された場合であっても権利はクリエイターに帰属すると定めています。クライアントは個人観賞とSNSのプロフィール画像への使用などに限って利用できます。クリエイター側はクライアントの許可なくSNSや同人誌に掲載できます。
Q9. 納品期限はいつから数えますか?
リクエストが送信された日からです。承認した日ではありません。承認を遅らせても納品期限は伸びず、そのぶん制作にあてられる時間が減ります。障害やメンテナンスによる延長もないとガイドラインに明記されています。
Q10. 締切に間に合わなかったらどうなりますか?
リクエストは自動的にキャンセルされ、クライアントへ報酬の全額が返金されます。クリエイターガイドラインは「ペナルティもありません」と書いています。ただし、承認後に自分からキャンセルする「ギブアップ」は締切超過扱いとなり、締切厳守率に影響します。
Q11. 売上を放置するとどうなりますか?
利用規約第4条6項により、売上が付与されてから1年が経過すると未振込売上が失効します。「重要なポイント」は理由を出資法の制限と説明しています。月次出金にしていれば、この失効は起きません。
Q12. 退会するときに気をつけることはありますか?
着金を確認してから退会してください。クリエイターガイドラインは「アカウントを削除すると、出金申請中を含むすべての売上が無効となります」と書いています。一度削除したアカウントの復旧はできません。
Q13. 生成AIを使ったイラストは納品できますか?
できません。利用規約第8条21号は、イラストや漫画以外の3Dモデル、スクリーンショット、生成AIが一部もしくは全部を生成したデータの納品を禁止行為としています。確認のために作業データの提出を求められる場合があるため、納品後も作業データは残しておいてください。
Q14. 2026年7月30日の改定で何が変わりましたか?
2023年12月1日版と比べると、第10条に差押え等への対応手数料(1件8,000円・消費税別+実費)、遅延損害金(年14.6%)、作業データと誓約書の提出要求および売上金の支払留保が追加されています。第5条1項には、納品後は理由の如何を問わず返金義務を負わないという一文が入りました。
Q15. クライアントとDMでやり取りしてもいいですか?
できません。クリエイターガイドラインは「事前・事後を問わず、SNSのDMやメールで打ち合わせやリテイクを行わないでください」と書いています。資料が確認できないリクエストは承認せず、DMで資料を要求することも規約違反になります。打ち合わせが必要な案件については、Skeb自身がSKIMAやココナラの利用を案内しています。
Q16. 料金表をプロフィールに載せてもいいですか?
禁止されています。クリエイターガイドラインは「料金表をはじめ事前に完成度を保証する一切の行為は禁止されています」と明記しています。設定できるのは「おまかせ金額」と「最低金額」の2つだけで、料金プランや見本置き場はありません。
Q17. ブーストの手数料はリクエスト手数料と同じですか?
違います。ブースト手数料は最大13.6%で、リクエスト手数料とは別に設定されていると書かれています。ブーストは1作品につき1回限り、500円以上100円単位で、リクエスト本体と合算して299,999円までです。ブースト手数料の割引条件は公式資料では確認できませんでした。
Q18. トラブルになったら運営が仲裁してくれますか?
しません。利用規約第10条7項は「作品に関する紛争をクリエイターとクライアントの二者間のみで解決することに同意します」と定めています。同条6項では、運営会社が作品に対して一切の責任を負わないことにも同意する形になっています。
Q19. 確定申告は必要ですか?
収入の規模によります。Skebのクリエイターガイドラインは「一定の収入が発生した場合は確定申告が必要となります」と書くにとどめており、具体的な基準は示していません。判断のしかたは当サイトの副業の確定申告と開業届の記事にまとめています。
Q20. 会社に知られずに始められますか?
Skebの側に勤務先へ通知する仕組みはありません。ただし、事業者に該当する場合は特定商取引法に基づく表記で氏名や住所等の公開が必要になるとガイドラインに書かれています。住民税の扱いを含む一般的な整理は別記事を参照してください。
まとめ
Skebのリクエスト手数料は最大9.8%です。6.8%まで下げる条件は2つあり、どちらも制作と関係がありません。募集を30日間閉じないことと、XのプロフィールにSkebのURLを1行載せることです。
これは偶然ではありません。規約が「リクエストに従う義務はない」「完成度の保証はしない」「権利も移らない」と定めている以上、運営は作品の中身を評価できません。評価できないものを値付けの基準にはできないので、代わりに露出が基準になっています。
数字にすると、月4件・12,000円の前提で年33,768円が動きます。内訳は手数料の差17,280円と、出金サイクルの差16,488円です。おまかせ金額を4,000円台から5,000円に上げるだけでも、引かれる額は減ります。
一方で、2026年7月30日の改定で増えたのはクリエイター側の提出義務でした。作業データと誓約書を出さないと売上が留保されうる、という条文が入っています。納品したファイルの作業データは残しておいてください。
守られている部分もはっきりしています。締切を超えても全額返金でペナルティはなく、納品後の返金も原則ありません。ここまで片側に寄せた設計は珍しいものです。
本記事の一次資料
- Skeb「利用規約」(2026年7月30日改定)
- Skeb「クリエイターガイドライン」
- Skeb「クライアントガイドライン」
- Skeb「特定商取引法に基づく表記」
- Skeb「利用規約」2023年12月1日改定版(PDF)(改定前後の比較に使用)
いずれも2026年9月22日に確認しました。

